明石家サンタのクリスマスショー

毎年12/24~25にかけてのクリスマスの夜に、明石家さんまが「明石家サンタ」と称してクリスマス特番を放映している。

30年ほど続くクリスマス恒例の特番だからご存じの方も多いだろう。

どんなにクリスマスらしくないクリスマスを迎えたときだって、この番組を見たらすぐにクリスマスモードになれる、僕にとって、毎年とても楽しみにしている大切な番組のひとつになっている。

番組の内容は、視聴者が生電話で番組に参加して、自分に起こった不幸な身の上話を語り、さんまサンタの合格をもらえたら、豪華プレゼントがもらえるというものである。

当然「お金を落として悲しい」とか「彼女に振られた」なんていうありきたりの不幸では、さんまサンタは合格の鐘を鳴らしてくれず、意表をつくような、エグい不幸話でなくてはならない。


何年か前に視聴者が語った話が印象に残っている。

長い間連れ添ってきた妻と離婚をすることになってしまった夫。
不幸のどん底にいたのだが、何年か経ち、結婚相談所に新しい出会いを求めて相談に行ったという。
顔のタイプ、趣味、性格....。ありとあらゆるデータを入力して、コンピュータにマッチングをかけて選出された1名の女性と会うことになったそうな。
相性としては120%くらいの数値がでていたのだが、初めて会うための待ち合わせ場所について、そこで待っていた女性に会ったとたん......

「あれ!?」

なんと、そこには別れた妻がいたというのです。

コンピュータがベストと選出してもやっぱりベストの女性はかつての妻だった..という話です。
.........ある意味、これは不幸な話と言うよりも幸福な話のかもしれない。けれど、さんまサンタの鐘は高らかに鳴ったのでした。


こんな話もあった。

「離婚をして"新妻"に戻りました」

離婚をすることで旧姓「新妻」さんに戻ったという本当のような嘘のような女性の話。これも合格でした。


参加するのは一般の視聴者だけれど「誰かを驚かせる」という点では、プロの芸人や落語家、ひいては美術作品に匹敵する「作品力」があるのですね。
自分の不幸をネタにする。他人の不幸を笑う。という、ちょっぴり痛・可愛い番組ではありながら、さんまサンタが合格の鐘をならす話には、驚きや笑いを超えて「すごい」と感心ばかりしてしまうのです。


今日も読んでくれてありがとうございます。
単なる不幸話も。国宝も。人を驚かせる力を持つものは全部芸術だよなあ。□