今日の一冊

「ABC殺人事件」アガサ・クリスティ著 堀内静子訳 ハヤカワ文庫(7点)

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最近すっかりミステリ小説にはまっている僕ですが、そんな話をぽろりとアトリエの仲間に漏らしたら、

「私も大ファンでポアロ作品は全部DVDで持ってます!」

.....と返され、怯みました。

ネタバレされる前に全部読み切らなくては!という気持ちになって手に取った「ABC殺人事件」です。
アガサ・クリスティ作品の中でも屈指の代表作と言われています。

一つの村や館などの閉じた空間で起こる殺人事件ではなくて、次々と場所と時間を変えながら進んでいく連続殺人事件で、サスペンスとしての要素が強いように感じました。

なんの関係もない場所、境遇の人々が、ただアルファベットの名前順という共通点だけで次々と殺されていくのですが、その真意がラストに一気に解消されます。
なんら関係がないと思われながら、我々には見えていなかった犯人の一つの目的、いわゆる「ミッシング・リンク」が解消するというミステリの一つのスタイルが、この作品で確立されたのです。

ミステリ小説は今なお新しい作品が登場していますが、「ABC殺人事件」はミステリの歴史の中でも金字塔のように今の作家たちにも君臨していくのでしょう。

それにしてもポアロは凄すぎです。
作家が生み出した名探偵だからといえばそれまでだけど、絶対解けませんよこの謎は。

今日も読んでいただきどうもありがとうございます。
絵描きにとっては、ポール・セザンヌの絵画が金字塔ですね。□