★処世術

 

僕は予習の人です。

 

僕は目の前に現れる問題を、その場で即時に解決できるような優秀な頭脳を持っていない。

だから予習をする。徹底的に予習をして問題に臨む。

誰かがサポートしてくれていた時は自覚すら無かったけれど、歳を重ね、サポートをしてくれる人が減り、自分一人で問題に対面しなくてはならないという局面が多くなった。
僕にとっての予習は、そんな先に手に入れざるをえなかった処世術だと思う。

予習でも補えないほどの問題が出てくることも、もちろんある。それはその場で答えを出さずに持ち帰ることにしている。それも一つの処世術だろう。

みんな何かしら欠点を持ち、なんらかの手段で埋め合わせて世の中を渡り歩いているのだろう。

大きな失敗をしたり、恥をかいたりして、二度とそんな目にあいたくないと心から思ったとき、人は初めて処世術を手に入れるのだろう。

人それぞれ「上手に行きたい」という願いが処世術という技術に現れているのだ。
そんなふうに思うとなんだかとても生きることが愛おしくなる。
失敗をしたり、恥をかくってのはなかなか尊いものなのかもしれない。

みんなの処世術をもっと見て、もっと学びたいと思う。□