今日の一冊

 

「メソポタミヤの殺人」アガサ・クリスティ著 高橋豊訳 ハヤカワ文庫(8点)

 

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古代アッシリア遺跡調査団の中で起こる殺人。

遺跡調査隊長レイドナー博士の妻ルイズ・レドナーが宿舎で殺害される。
固い鈍器のようなもので右頭部を殴られて死亡。

彼女が遺跡調査団の中に来てから、かつては和気あいあいとしていた調査団メンバー間の雰囲気が何故かぎくしゃくしてきている。
ルイズ・レイドナーはスパイ告発し、死んだはずのかつての亭主からと思われる殺害脅迫状を受け、おびえ続けている。

容疑者がそれぞれ様々な容疑の原因を持っていて、それが事件を複雑にしているというのがポアロシリーズ(というかアガサ・クリスティ作品)の特徴なのだと、少しずつわかりはじめてきた。
ラストには必ず長いポアロの演説があり、その中で、それまでにちりばめられた個々の容疑がサクサクと解明され、犯人が絞り込まれていく。

本作の文章はこれまで読んだ作品よりも、なんとなく読みづらいと感じた。
物語を執筆しているのが、物語中に出てくるレザラン看護師という設定になっているから、わざわざ彼女が書いたように文章を読みづらくしたのだろうか。

それでも、全体にちりばめられた謎や伏線、トリックの回答、犯人とその動機に対する、ラストでのすっきり感はシリーズの中でも、屈指の高さだと感じた。□


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 注意
 ここから下は読みながら作った人物相関図を
 張りつけてます。犯人も全て書いてますので、
 これから読む人は決して見ないように!!
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「メソポタミヤの殺人」人物相関メモ