ごみよ、さらば。(前編)


「あ、ゴミ捨て場にそのまま置いといてください。

 持っていきますんで。」


なんと男前なご回答....。思わずうっとりと、ため息が漏れた。

15年使っていた書棚、自転車、家電たちを処分することにしたのだ。

粗大ごみであるが、特に書棚は幅2m×高さ1.5m×奥行0.7mと中々大きい。
中古家具業者に引き取ってもらうようメールしたのだが、翌日来た回答には「ただ今引き取りは行っておりません」とあった。
途方に暮れて市役所に電話したときの回答だった。

冷蔵庫、洗濯機、エアコンは指定業者への引き取りを依頼しなくてはならないのだが、その他の粗大ごみと呼ばれるものは、わが市においては、ゴミ捨て場に出しておけば持って行ってくれるというのである。
ルールでは、なるべく分解してとのことだったが、大きすぎて一人で対応できない。そもそもどうやって組み立てたかの記憶もない。
そんなことも説明したうえでの市からの回答だった。自転車もおいてもらったら持っていくと。回答した市役所員は女性だったが、その声からは、ドヤ顔が見えるほどの自信があふれていた(ように感じた)。

なんでも、わが市はものすごく強力な焼却炉をもっているようで、例えば業務用廃棄物については瓶やペットボトルの分別すら不要で一気に焼切るようである。
頼もしいを超えて空恐ろしい気持ちにもなる。どの市でもそうなんか。(つづく)□