夢十夜 Season4 第三夜

こんな夢を見た。

夜行バスに乗っていた。
夜行バスは深夜の高速道路を、延々と走り続けている。
車内は真っ暗だったが、荷棚のあたりに設置されたディスプレイが煌々と光っていて、なにかの映画の予告編が流されていた。
二人の青年が出会い、切磋琢磨しながら一人はやがて「阿Q」と名乗り、世界に名をとどろかせる存在になる、そんな映画だった。タイトルは「利休」。
映画が公開されたことはどこかで聞いて知っていたが、これほどまでに面白そうな映画だったのかと気づき、早く観に行かなくては、と慌てている。

やがて自分はとあるビルの屋上のレストランにたどり着いた。
レストランに隣接されたトイレに行くと、黒いサングラスをかけた怪しい男とすれ違った。
どこかで見た男だと思ったら、先ほどのレストランで見た店員だった。
屋上の芝生広場では3~4歳ぐらいの中国の子供たちが20名ほど集まって「阿!」と叫びながら太極拳をやっている。そこに、先ほどのトイレですれ違ったサングラスの男がナイフを持って子供達に襲いかかろうとした。
だが、すぐさま太極拳をしていた中国の子が1人、前にでて襲い掛かってくるサングラスの男に「阿!」と叫びながら拳を一発撃ちこんだ。男はものすごい勢いで遠くまで吹っ飛んで行ってしまった。
そのとき、自分は「あ、彼こそが「阿Q」なんだ」と気が付いた。□

補足。目が覚めてすぐ、映画「利休」が上映されていたのはどの映画館だったかをスマホで調べてしまった。だが、「利休」といいながら阿Qが出てくるような映画は、この世には無かったのだった.........。