めぐりめぐる。

部屋を片付けていたら何とも懐かしい新人時代の研修日誌が出てきた。

当時いろいろな資料や本を頂いた記憶があるが、今やほとんど残ってはいない。
そういう意味でもこの日誌は自分史を語る上で、とても貴重な資料である。

絵日記である。
1ヵ月ほどの研修中、毎日馬鹿な絵日記を描き続けていた。
思えば、正式な配属が決まる前、全くの怖いもの知らずの頃である。
先輩の名前も顔も全て実名、似顔絵で描きハプニングの数々を記録している。
結構過激なことも赤裸々に記録していて、よく怒られなかったものだと思う。
でも今、改めて読み返してみて「おもしれえじゃねえか、当時の俺」と思ってしまった。
カチカチに緊張して、フォーマルで差しさわりの無い日誌を書かなくて良かったと思った。そんなものを書いていたら、きっと残っていなかったとも思う。
ちょっと前に「エビデンス」力(りょく)について書いたけど、この日誌も一つのエビデンス力を具現化しています。
遥か昔に書いたものを今、楽しく読めて、しっかり思い出せる。それこそが記録の価値だと思うのです。
当時の馬鹿な自分はそんなことも考えてもいなかったと思うけれど、はちゃめちゃに描いたことがかえっていい記録になったのです。

名著「すごいメモ」に「メモは臨場感」とありました。
フォーマルな言葉で置き換えるより、現場を思い出せるようなありのままの言葉で記録する方が思い出せるというのです。

............というようなことを、本日、今年の新人君の研修日誌のコメントに書きました。

あの頃、先輩に読んでもらっていた研修日誌を、今度は僕が先輩として見ているのです。

めぐりめぐるよなあ。輪廻。□