2019-06-25 今日の一冊 「白ゆき姫殺人事件」 湊かなえ著 集英社文庫(4点) 小説の前半パートと、物語を補足する資料としての架空のツイッターやら週刊誌、新聞記事が転載される後半パートで構成された描き方が斬新である。 白雪石けん会社の美人女性社員が山奥で殺害される。事件の謎に対し、社員、友人、家族らの証言で物語がすすんでいく。 犯人の意外性にはびっくりした。ただそれまでの人々の証言の多くは、他人の事件をスキャンダラスな興味の対象として受け止め語られ、浅い関係の中にある人間の残忍な本性を浴びる形になり、読むのに体力を必要とする小説だと感じました。□