くらしの手帖の美しさについて、書いてみます。
戦争が終わったばかりでものが無かった日本人に、豊かな生活を生み出すための知恵や工夫を盛り込みスタートした「暮らしの手帖」。
戦争が終わって何十年も過ぎ、豊かな生活を手に入れたと思われる現代ですら、僕たちはやっぱり何か物足りないと感じ続けている。
そして今も昔も「暮らしの手帖」のコンセプトは全くすたれることなく、ぶれることなく生き続けている。
くらしの手帖の紙面はいつも美しく、ゆたかで、何となく眺めているだけで心がほっこりと落ち着いてくる。
あれよあれよと走り続ける日々の慌ただしさを忘れ、立ち止まることの美しさを思い出させてくれる。
丁度手に取った一冊に、冷蔵庫の残り物で簡単にできるチャーハンのレシピが掲載されていて、美味しそうだったので作ってみることにした。
人参に卵にねぎ。そして塩コショウと醤油だけであっという間にできた。
そして、
美味いのであった。
「誰もが間違いなくできるように記事を書く。シンプルな紙面を作る」
花森安治氏と大橋鎭子氏がうたいつづけたコンセプトが生き続けていることを体感した。
時代に関係なく、美しいものがある。
暮らしの手帖の美しさは、まさにそういったもののひとつだといえよう。□