今日の一冊

 

「ビッグ4」アガサ・クリスティ著 田村隆一訳 ハヤカワ文庫(6点)

 

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国際犯罪組織・ビッグ4と名探偵ポアロとの対決。

いつもの「犯人は誰だ?」という展開ではなく、探偵小説かスパイ小説の色合いが強い。
ビッグ4と呼ばれる4人の凶悪な犯罪者が引き起こす事件が1つ1つオムニバス形式で描かれ、最後の決闘まではらはらとする展開で読ませる。
ビッグ4のNo.1であるリー・チャン・エン、No.4である破壊者など正体不明な怪人の存在が最後まで謎に包まれていて、これまでポアロのシリーズを読んできた自分にとって「まさかこいつが?!」というどんでんがえしの展開を期待していたのだが、本作は本格推理的な要素はほとんど無く、最後の最後まで探偵・冒険・スパイ小説の色合いが強い作品となっている。

ゴルフ場殺人事件の引用が多かったので、先に其方を読むべきだったかもしれない。

物語の中に関東大震災のことや柔道など日本の事も描かれていて、ポアロが活躍したのは大正時代だった。という点も面白い驚きとなった。□

 

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ビッグ4_登場人物相関メモ