日本人という民族

 

今年のノーベル化学賞に吉野彰氏が決まった。

 

同じ日本人としてもとても誇りに思います。

心よりお祝いを申し上げます。

日本人ならばせめて少しでも、日々自分が携わる仕事の分野で、こんな誇らしい賞の片鱗にでも近づきたいとあらためて願います。

例年、ノーベルウィークという週がやってきて、今年の受賞はだれか!?なんてことを連日テレビが賑やかに伝えています。
つい数年前までは、ノーベル賞を取れるかどうか。なんて雲をつかむような話ばかりしていたように思うのだけど、最近になるとなんだか取れることがあたり前になっていて、「今年は誰だ?」なんてことばかりを語るようになってきている。
慣れというものは恐ろしいものである。


そもそも、なぜ、日本人なのだろうか。


学術・研究の分野においては、世界のどの国も、きっと差をつけるのが難しいぐらい、互いの技術や研究レベルは肉薄しているのだと思うんだけど。その中で、あえて他国をしりぞけての日本。なのである。

 

日本人とは何者なのだろうか。


世界唯一の被爆国であり、アジアの極東の島国であり、主張を好まず、宗教観が希薄で、騒ぐのが好きだがすぐに忘れ、緻密なことが得意で、誰にでも頭を下げる。そんな民族である。

改めて言葉にしてみると、確かに世界的に見ても、稀有な民族のような気がする。

正直、現代の日本の科学技術については、とても世界のそれにかなっている気はしない。
でも、誰もが丁寧に生きることを心掛けていて、そんな人間が集まって作ったものへの姿勢や価値が評価されているのだと思いたい。

今や、日本人は、技術よりも日本人としての生き方を評価されているような気がするのである。

そういう国に今、僕らは生きているという誇りや喜びの確かさを噛みしめる機会となりました。□