2019年の茨木市美術展が本日閉幕した。
ひとりひとりの力や個性に差はあれど、それぞれが1年間時間をかけて真剣に作り上げた作品が、ひとつの空間に集まり、美の放射線を放っている。
小市民だろうが大作家だろうが関係はない。
人一人が本気で時間をかけて作ったものは、人を圧倒する。
自分もこの空間を作る一つの歯車であることに誇りを感じる。
負けてはいられないと追い詰められるような緊張感を感じる。
もう一度一からやり直せと、強い粛清を受けたように感じる。
一体、自分はこの一年間何をしてきたのだろうという敗北感や劣等感を感じる。
未だに、自分はこのサークルの中に入れてもらえないのか。そんな失望も感じる。
この空間にくると、そんな気持ちがまとまって一瞬で脳の中に差し込んでくるのだ。
ゆるみはじめていた自分の姿勢を正し、もういちど再出発する貴重な契機をくれる。
それを思い出させてもらうためにこの展覧会というものがあるのだろう。
ため息をついたりもするのだけど、この「美術のニオイ」を展覧会場で吸い込むと、やっぱり僕は美術が好きなんだな、ということを思い出すのだ。□