もったいない

 

味噌汁は、具が多くて汁が少ないと美味しそうに見える。

 

味噌汁を作っていてふと、そんなふうに思った。
手前味噌ではないが、自分の味噌汁はもちろんふつうに食べられ、美味いとは思うが、どうもプロのようにはいかないと思っていた。だが、それは見え方にも原因があったのかもしれない。
いつも作りすぎた汁がもったいないと思い、すべてをお椀に入れてしまうから、具が全部沈んで見えなくなる。
もったいないという気持ちで、見た目という料理の美味しさが損なわれているのである。
わずかな量である。そんなときは残った汁は鍋に残してしまってもいいのかもしれない。

絵を描くときも、パレットに広げた油絵の具を全部使おうと考えて、キャンバスに無理やりのせようとして、かえって絵がぐちゃぐちゃになってしまうことがある。
残った絵の具は潔く捨ててしまってもよいのかもしれない。

「 もったいない」という気持を捨てることで、仕事がよくなる事例は結構あるようだ。

倹約も裏返せば、貧乏性になる。メリハリをつけて潔く美しくいきたいものである。□