ゆるさ。がほしい。
安西水丸のもつゆるさ。
猪熊源一郎のもつゆるさ。
あまり絵を描かない人から見たら、ある意味「らくがきじゃないの?」と思ったりもするかもしれない。
らくがきは誰でもできる。だけど、らくがきを大人になっても一生続けていけるかというとできる人はそういない。
本気で描くということを考え、つきつめていったとき、がりがりとやりすぎるほどにやりたいことから遠ざかってしまう自分に気づき、その果てに、あの「ゆるさ」にたどりつくのだと思う。
思いの強さはわかる。
だが、思いつめた作品は、見る人に緊張やストレスを生む。
そのこだわりから抜け出したゆるい作品は、一見、らくがきかもしれないが、楽しさが伝わってくる。
「僕でもできそう」
「とても楽しそうだ」
「私もやってみたい」
「なれない自分になろうとする」のではなくて、
「自分らしい自分になろうとする」という考え方。
お二人の作品からはそういう教えまでもが伝わってくる。
今、僕は、ゆるさ。がほしい。□