今日の映画

 

「食人族」(1点)

 

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今日の映画なんていうコーナーを設けながら、一回目にこれか!.......と我ながら自己突込みをしたくなるタイトルを選定してしまった。どうぞご容赦を。

 

今ではもう絶対に公開が許されない映画というものが、時代と共に残っている。

1980年代に少林寺映画ブームが勃発する。
ジャッキーチェン映画にはまっていた僕は、ご多分に漏れず少林寺映画におおはまりする。
少林寺三十六房」を観に行ったのは今はなき渋谷パンテオン・東急レックスという映画館だったと記憶しているが、そのころだったか、「少林寺三十六房」をしのぐほどの大きなポスターで「食人族」というおっそろしい映画の宣伝がされていたのである。
人食い人種の調査に出かけた一行が、襲われて食われてしまうというショッキング映画である。
幼かった自分は、世界にはそんな恐ろしい民族がいるのか、と信じこんで、こんなキモチワルイ映画を観る人間が世の中にいるものなのだろうか、と心底震えた。
お茶の間のテレビでも普通に「食うか食われるか!?食人族!!」とCMが放映されていた。
今となっては小さい子にそんなものを見せてはいけない、と公開することすら許されないだろう。

 

そんな気持ちを抱えたまま、長い時間がすぎて、そして今、ついにこの禁断の映画を観ることができたのであった。

 

ひっどい映画でした。

 

怖い、というより、不快の極み。でしたね。

 

見終わって、今もムカムカしてます。

 

4人の若者たちが食人族の取材に出掛けたまま、帰ってこない。
消息を確かめに行き、彼らの残した映像を紐解くと実は4人がうける映像作品を捏造するために、部族に対して非人道的なひどい暴行を加え続け、結局報復にあって食べられちゃった。という酷い話。

 意味もなく亀やら猿、豚を殺し(本当に殺して解体までしている)、部族の連中の前で突然女を押し倒しやっちゃったりする。
劇中で、映像を残されたテレビ局の連中が、この映像を放映すべきかと議論しているのだけど「焼き捨てろ」と言い放って終わる。世界観にまったく会わないBGMが流れ続け、不快さをいっそう刺激する。

 

大昔からかかえこんでいたトラウマのようなものを、解消することが主な目的だったから、ある程度のひどさは覚悟していたけど、これは永久封印ものでしょうね。

 

当時、この映画に¥1500払って見た人はどう思ったのだろうか。無料であっても、時間を返せ!とすら叫びたくなる作品である。

 

これを越えるのは「死霊の盆踊り」くらいかもしれないな(こちらも未だ観られてないけど)。

映画ファンとして、観ていないとはしておけなかったので観たけど、これはなかなかのダメージを受けましたよ。□