今日のゲーム

 

PS4「DETROIT: BECOME HUMAN」 Quantic Dream(9点)

 

※(注)ネタバレ含みます※

 

「おもしろい」というより「すごい」。

よくこれほどの作品を「ゲーム」として世に出したものだと。

「ゲーム」という表現手段が「映画」に対等か、それ以上の娯楽になるまで完全にのし上がったことを、この作品で体験しました。

自分が取るべき道、結末を決められるという「参加型の映画」という印象。

サウンドノベルの全ての選択肢を、圧倒的な質の映像と、独自の操作方法に置き換えた作品とも取れる。

物語も深い。
人間の生活を支えるアンドロイドが社会に一般的に浸透している近未来のデトロイトが舞台。
3体のアンドロイドを主人公として、それぞれの視点から物語が進んでいく。
人間の不条理なアンドロイドの扱いに、アンドロイドが人間に抵抗する事件が起こり始める。
人間と同様の権利を求め、主張を続けるアンドロイド。それを武力で鎮圧しようとする人間。

ぼくは、物語の終盤まで、ずっと対話で解決する選択肢を選び続けていました。
だけど、それでも武力で鎮圧しようとする人間たちの態度に耐えきれなくなり、ついに最後の最後に化学兵器を発動させてしまいました。
そのとき、ふだん武力に対して否定的な視点をもってニュースなどを見ている自分も、対話できないものには武力を行使する。という選択をしてしまったことに気が付いて、ショックをうけてしまったのです。
そんな人生初のUXをゲームから受けたという事にもとても驚きました。映画ですらそんな体験はしたことがなかったのです。
DETROITは、2018年のひとつの大きな記憶になりました。

さらに、特典で入っている映像は、本編の再編集などではなくて、完全なスピンオフ作品であり、それだけで有料としても充分に価値があるほど質が高いのです。
メイキング映像をみても、映画以上の狂気というか、ものづくりへのこだわりがあふれているのです。

とにかく驚きづくしのビッグタイトルなのでした。

HeavyRainもすごかったけど、DETROITはもっとすごかった。

今後、Quantic Dreamからはぜったいに目が離せませんね。

最後に少し欲を言えば、完全なハッピーエンドもつくってほしかったですね。
UNDERTALEのPルート、Gルートみたいな善・悪に完全に振り切ったラストがあってもよかったなあ。まぁ、それがないのが、徹底したリアリティということなんだろうけれど。□

 

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