象徴

たまった絵を処分しようとしています。

......でもやっぱり駄目ですね。中々踏み切れない。

一枚一枚見ていくと、どうしても情がうつっちゃう。

小さいものなら2週間~1ヵ月、大きいものなら2ヶ月。
細かい手入れを含めたら、半年くらいかけて描いているわけです。

「描く」というより「産み出している」のですね。

いわば僕の息子。僕の分身。あるいは、増田力也の象徴。とも言えます。

作品は、僕が死んでも、僕の代わりに、僕を伝えてくれるものです。

タッチや色の使い方、構成、大きさ、世界観、全てが増田力也を代弁してくれるものです。

欲しい人にあげたらいいのに。と言ってくれる人がいます。

お金儲けでやっているわけではないので、無料で差し上げることはやぶさかではありません。

むしろ好きになってくれる人がいたら、是非、受け取ってほしいと思っています。

ただ、

「絶対に大切にしてほしい」のです。

「無料」というのは、矢張り「無料」の扱いしかしてもらえないことが多いのです。

差し上げたときは大切にしますと言ってくれるかもしれないけれど、しばらくしたらゴミ捨て場やオークションに出されていた、というような話も聞いたことがあります。

「無料」のものは、結局、道端で配られるティッシュペーパーと同じですから。

 だけど、1万円というお金を払ってでも手に入れたい、と思ってくれる人はきっと大切にしてくれると思うのです。汗水たらして働いた大切なお金に変えてでも、絵を欲しいと思ってくれたのですから。

値段はそのためにつけるのだよ。と、かつて先生にそう教えられました。

本当に欲しいと思ってくれているかどうかを、お互いに確認するためのものだと。

でも、無料でも本気で大切にしてくれる人も、きっとどこかにいると思うのです。

そんな人、どこかにいないかなぁ....。

あるいは、おっ建てるしかないかなぁ、増田力也美術館....。(爆!!)□