今日の一冊

 

ビブリア古書堂の事件手帖5」三上延 著 メディアワークス文庫(8点)

 

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寺山修二の書籍を巡っての母からの難題に栞子さんが挑むなど、ラスボスともいえる栞子さんの母との絡みが一層濃厚になってきます。

また、メインキャラクターたちが紡ぐ本編の面白さもさることながら、サブキャラクターたちの過去が思わぬ形で明かされるなど、隅々までしっかりつくりこまれています。

特筆すべきは手塚治虫の名著「ブラックジャック」が古書として扱われている点。
第二巻で足塚不二雄、つまり藤子不二雄の「UTOPIA」が扱われていることと対をなすようになっていて読み応えがありました。

人気が続く限りシリーズを続けるというのではなく、あらかじめ決めたラストに向かっているという様子が感じられ、クライマックスへのテンションが上がります。

全巻読み終えた暁には、はげしいビブリアロスに襲われそうです........。□