光と影

 

藤本弘(藤子F不二雄)先生のSF作品に「流血鬼」というのがある。

 

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吸血鬼となってしまう奇病に人類が侵されて行く中、残された人間である主人公たちが吸血鬼を倒し、逃げ、生き延びようと戦う物語である。
多くの映画や漫画では、人類が勝ち、生き延びるという希望的な結末とするものが多い中、この作品は、吸血鬼となることが新しい優れた人類として描かれ、最後には主人公も吸血鬼となって、新しい生き方を受け入れ、終わるのである。

 

劇団イキウメの主宰 前川知大氏の芝居に「狭き門より入れ」というのがある。
世界のあちこちで人々が昏睡するという奇病にかかる。
はじめは奇病に立ち向かうという立場でストーリーが進むが、実は、この世界が終わるのは間近に迫っており、奇病は奇病ではなく、選ばれた人類のみが昏睡という形でこの世界を離れ、次の世界に迎え入れられているということが発覚する。つまり、昏睡していな人類は、ノアの箱舟に乗り損ねた、棄てられた人類なのだった。

 

もうずっとコロナの騒ぎが続いていて、ニュースはを見ればほとんどコロナのことばかり。それを見ていてふと、この2つの作品を思い出したのだった。

人類の半数以上がコロナに感染した時、たぶん感染していない人間 の方が奇異に扱われるようになるのではないか。コロナは新人類へのフィルタとしての役割があるのではないか。
ごっこは鬼が1人で逃げる人が多数で成立する。その時、鬼は悪であり、逃げる人が正義である。だけど、鬼が1000人、100000人、.....と増え、逃げる人間を上回ったときどうなるか。鬼の世界が普通で、人間が異端扱いされるのではないか。

 

この騒動の収束は、いわば、ワクチンを手に入れて、人類全員がコロナに感染することで終わりを迎えるのだろう。

 

光は影になり、影は光になる。□