夢十夜 Season5 第三夜

 

こんな夢を見た。

 

職場内での水泳五輪大会が開催された。

一体誰が出場するのだ?という無関心が職場全体をおおう中、どんな五輪なのかとプールに行ってみた。

プールは小学校時代のものと大変似ていたが、かつては無かった屋根がついているなど、別の場所であるようにも見えた。

飛び込み台のところに、我が職場からの代表選手が一人練習をしている。

飛び込み台が高い。1.5メートルほどもある。

その上に立つ代表選手を見上げ、頑張れよと声をかけている。とはいえ、まったく知らない顔だった。

ほとんどの者が無関心の水泳五輪だったが、我が職場の代表が決勝戦に出たという知らせが届くや否や、瞬時に信じがたいほどの熱狂ぶりとなった。

決勝は、摩天楼の巨大屋上にあるプールで開催されるということになり、こぞって会場へ向かう。

エレベーターで雲の上ほどまでの高い屋上に登り切ると、まるでテーマパークのような広い屋上が目の前に広がった。

はるか向こうにはニューヨークの巨大なビル群が見張らせる。

屋台のあるエリアや放送局のあるエリアなどがあり、その奥に会場となるプールが見えている。

放送局のエリアの片隅に、我が職場の応援ブースがあり、そこに向かうと同僚のH君ともう一人のスタッフが待っていた。

この熱狂は我が職場だけにとどまらず、全従業員にまで広がっていて、入社した当初お世話になり今はカンパニーの社長となったKさんも来ると言われている。

迎えに行ってくれという指示を受け、エレベータを下り、近くの旅館に滞在しているK社長を迎えに行った。

旅館に着くと丁度社長が門から出てきたところである。

でかい。3メートルほどもある。

もともと体の大きな人だったが、縦にでかい。

ご挨拶をすると、今も覚えてくれていて、深く頭を下げられた。でかい。

今や社長となったKさんが、昔通りの目線で話しかけてくれる。

「社長ってどんな仕事してるんですか」と尋ねると、

「いい質問してくれるな、まあ聞いてくれよ」と友達のように話しかけてくれる。

昔の仲間たちの話などもしながら五輪会場のあるエレベータに向かっていった。

偉い人に取り巻くことが生きがいの職場の先輩が、地位的にかみ合わないこの二人のあまりにもカジュアルな会話に小さな妬みの視線でこちらを見つめている。□