「フォーゴットンアン」(3点)
日本の80年代のアニメを彷彿とさせるような映像に、丁寧に作り込まれた美しいグラフィック。とても丁寧に作られている作品であることは充分に感じたのだけど、
すみません、とても、つまらなかったです。
最初の胸を膨らませた期待感が、みるみる小さくなって、すぐに、ほとんど風前の灯火のようになり、這いつくばるような気持でやりました。
人間界で捨てられたモノ、忘れられたモノが送り込まれ、命を吹き込まれて生活する世界にまぎれこんだ少女アンと、その師匠ボンク。そこまでは分かったのだけど。
水晶化?
アルカ?
イーサ?
フォゴットンリング?
わからない。次々でてくる知らない言葉と、心に届かない表面を滑るような会話で、世界観も、彼らの目的も、気持ちも、何ひとつ共感できず、最後まで置いてけぼりのような気持でした。
途中、決定的らしいシーンが出てくるけど、やっぱりつかみどころがなく、滑り続ける。そしてラストは、退廃的で救いのない自己犠牲の終幕....。
映像や作り込みのすごさと、物語の魅力の低さがこれほどまでに乖離したゲームは久しぶりでした。
途中でやめてもよかったのだけど、作り込んだ人たちへの敬意だけが、最後まで根性でもやりとげた自分なりの情けだったのだと思います。
2020年の大いなる残念賞です。□