四面楚歌

 

そうだ、東寺行こう。

 

ということでこの秋のスケッチに東寺に行くことになった。

 

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「THE 京都」です。

 

長い時間、コロナでいろいろ先延ばしにしたり自粛しているけれど、これ以上、くさくさしてもきりがない。
できる限りの注意を払いながら行けるところは行きましょう、ということで立案した企画である。直前にコロナの猛威がさらに激しさを増してキャンセルをする人も出たが、来れる人はどうぞというところで決行をはかった。

改めて、それでも行ってよかったと確信をする。

今は丁度、秋の特別公開の時期であり、見所が満載である。
東寺は京都の幾多ある仏閣の中でも見所の質、量は最高クラスではないか。
五重塔の初層公開、立体曼荼羅の裏に回る、国宝十二天屏風公開、等.....。
1300円の共通チケットであらゆる場所を何度でもじっくり見せてもらうことができる。
まさに京都の最強観光地といっても過言ではない。

 

が。

 

スケッチに対しての弾圧の厳しさは最凶ではないか。

 

「スケッチは禁止です」

 

まず五重塔を描いていて警備員に注意を受ける。
写真撮影をする人にも迷惑だろうと、駐車場まで引き下がって改めて描き始めたのだが、またも警備員に見つかり、

 

「スケッチは禁止です」

 

挙げ句の果てには、食堂に入り、焼け残った四天王像を軽く鉛筆で描いていたら、

 

「スケッチ禁止です」

 

今度は一般人の女性までもが、注意をしてきた。
どこに行っても監視の目が光っている。これは厳しい。

いつの間にかどこにってもすっかり描きにくい環境になってしまいました。

美しいものを美しいと感じ、慈しみ描いている人間が、美しいものを汚すことなどあるはずがない、というのが個人的な思いです。

善良な我々を捕まえ糾弾するのは、深夜に壁でスプレーで落書きをするような人々をしっかり取り締まってからにしてほしいと、そう願います。

 

........とは書いてみたものの。

まあ、結局は、この先、正義と正義の戦いになって、それがとても醜悪な展開や結末を迎えることが見えた刹那、そんな局面に自分を置いている自分に耐えられなくなって、やはり。ならば。と退かざるを得ないのが、僕です。□