「描くことは"祈り”だ」
バルテュスが言った。
かっこいい。
バルテュスだからこそ言える含蓄ある一言だ。
自分はまだその境地にはたどりついていない。
今の自分にとって描くことは「祈り」というより「誇り」に近い。
巨匠や先輩方の多くのすぐれた作品を浴びて、端くれではありながらもそれらと同じ直線状に立てていることへの。
もしかしたら、いつかの未来、巨匠や先輩方と肩を並べられる日が来るかもしれないということへの。
作品がうまくできたかどうかは別として、人生という時間の一部を制作に注ぎ込み、自分なりの哲学を埋め込み、自分の分身としての作品に結晶化できているということへの。
もう少し踏み込めば「祈り」ではなく「願い」なのかもしれない。
これらの活動の片鱗が、いつかどこかで誰かの目に留まる価値のあるものになっていってほしい、ということへの。
巨匠や先輩方と肩を並べるものがいつかこの体から生み出せるように、ということへの。□