アニメ「スーパーカブ」が素敵です。
両親もいない。友達もいない。お金もない。趣味もない。
通学のために「スーパーカブ」を手に入れたことをきっかけに、主人公・小熊の世界が少しずつ広がっていきます。
真っ白な状態ではじまる主人公だからこそ、少しずつ色づいていく世界がとても美しく見える。小さな変化ですらも、大きな喜びとして伝わってくる。
言葉少ななキャラクターたちの存在。
それを彩る楽曲。
どれもが静かでとても美しい。
感性に響く上質な映像作品として心に届きます。
手に入れた「スーパーカブ」を窓からちらりと見てにっこりする小熊。
大切な宝物を見つけた喜び。
宝物を見守る喜び。
宝物がもたらしてくれる未来への喜び。
宝物が世界を広げていってくれることへの喜び。
そんな嬉しい気持ちが、静かに、強く、伝わってくる。
僕にとっての「スーパーカブ」はなんだろうな、と考えてしまう。
発売日に手に入れた書籍を紙袋から取り出すときのような気持ちかな。
どうやって描いたかもわからない自分の作品を見返すときのような気持かな。
ひとつひとつのシーンを観るたびに、ほっこりとする空気をもった作品です。□