夢十夜 Season6 第三夜

 

こんな夢を見た。

 

父が寿司屋を不在にする間、店に残る私に接客を頼んできた。

店の内装は変わらないが、店自体はどこかの山奥に移転していた。

おそらく母娘の二人の客がやってくるだろう、と言って父はでかけていった。

しばらくすると、母娘が店にやってきた。

春野菜の天ぷらを注文され、あわててしまう。

天ぷらなど作ったことがない。

それでもなんとか見よう見まねで天ぷらを揚げていく。

ようやく出来上がり、お客様に出そうと思ったが、Tシャツと短パンの格好で調理をしており、このままではお客さんの前にでられない。2階で着替えてこなくてはならない。
さらに天ぷらのツユも見当たらず、プチパニックに陥ってしまう。

 

そこに父が戻ってくる。

接客を代わってくれ、すべてをいつもどおりそつなく対応してくれた。助かった。

だが、自分がつくった天ぷらは、長く揚げ過ぎたせいで、春野菜は太巻きのように太くなっているし、ホタテはげんこつくらいに肥大化していて、とても客に出せるものではなかった。

父は𠮟るでもなく、ひとりで残った天ぷらを食べてくれている。□