ゴーストオブツシマ その2

 

「チンハルオ!」

 

誰だよ、「珍 春雄」って。

...........と、一人突っ込み入れた刹那、爆笑がこみあげてきた。

PS4で「Ghost of TSUSHIMA」をプレイしている。

蒙古に占領された対馬を取り返す武士道全開のオープンワールドアクションゲームである。

 

「武士とは誉れだ。敵を後ろから殺めるなどあってはならない」

....なーんて教えをたれた志村殿のいいつけなど守ることは一切なく、後ろから足音を立てずに蒙古に忍び寄り、ざくざくと倒していく。

みつからないように背後に回り込み、村を占拠したすべての蒙古を全滅させる楽しみが、完全に病みつきになってしまっている。

だが、焚火を5人で囲む蒙古がいたりしたら見つからずに全員を後ろから倒すなどできようはずもない。せめて1人、と後ろから切り付けた後、当然残りの4人に見つかってしまう。

「チンハルオ!」

そのとき蒙古が意味不明の言葉を叫ぶ。

おそらく「侵入者だ!」とか「貴様は誰だ!」とかいう意味なのだろうけど。

ある一人の蒙古に見つかって「チンハルオ!」と叫ばれたとたんざっくりと倒す。

また別の蒙古にも見つかって「チンハルオ!」と叫ばれたとたんざっくりと倒す。

さらに別の蒙古に見つかって「チンハルオ!」と叫ばれた刹那、爆笑がやってきた。

 

この意味不明の叫びと討伐の、マヌケけな繰り返しが、笑いのツボに入ってしまう。

 

「堺井仁(主人公)だ。珍春雄じゃねえ(爆笑)」

 

くそまじめに作られた硬派なゲームであるからこそ、一層笑いが誘発されることになった。

作り手たちが想定すらしていなかったところのひずみやゆがみに、とんでもない娯楽が生まれる。名作たるゲームが持つ深さはこういうところにでてくるのであろう。

 

「チンハルオ!」は間違いなく、今年の「極私的流行語大賞」にノミネートされるだろう。□

 

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