本を聴く。
作品を制作している間、目はキャンバスの上に縛られていて、
その間、唯一の情報入力手段としては、耳のみとなる。
ということで、描いているときは、
radiko、Spotify、Podcastなどを巡回しているのだが、
最近、Audibleで本を聴くことを始めた。
大のミステリーファンで、人物関係やトリックなどの推理を子細にメモに取りながらじっくり読むのが好きで、それすらせずに「ミステリーを聴く」だけで楽しむなんてことができるのだろうかと思っていた。
各所に張られた伏線やキャラクターの相関などを都度、振り返ったりしながら、じっくり読むのはやっぱり書籍が向いているという先入観がある。
だけど、このたびミステリーを聴くという経験をしてみて、「充分楽しめる」ということを知った。
これはいい。
聴いたのは「六人の噓つきな大学生」だが、一人の朗読者が六人を見事に演じ分けていて、本を朗読するというよりも、ラジオドラマを聴くというほどの出来栄えである、
作家の文章力も高く、大変楽しく聴かせてもらった。
制作と読書が同時に進む。
やりたいことが同時に進むという効率の良さがなんとも嬉しい。
時間貧乏の自分が最も求めている充実の一つだった。
個展開催まで、あと何冊聴けるだろうか。また楽しみが増えた。□