今日の一冊

 

すべてがFになる」 森博嗣著 講談社文庫

 

 

 

 

ミステリーそのもの以上に、

キャラクターの存在感や、

哲学的な言葉、深い余韻を魅力だと感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(以下、自分のためのメモ。全てネタバレあり。注意)

 

 

 

 

 

 

 

メモ(Ver1.0)

 

メモ(Ver.0.3)

 

・両親殺しをしたとされる天才プログラマー真賀田四季は、孤島の研究所にある独房に幽閉されていたが、両手両足を切断され、花嫁衣装を着けられた状態で死体となって発見される。

・犯人は、真賀田四季女子本人。

・独房の中で生んだ、叔父であり研究所所長の新藤との間の娘をいけにえにして、独房から脱走し、妹の未来(みく)に成りすまして、ヘリコプターでやってきた所長と一生に来たかのように偽装した。

・四季の殺人の動機が全く理解できない点が、最大の不満。
 14歳になったら自分の親を殺す宿命で、娘に自分を殺させようとしていたが、
 娘が不能だったので、娘を殺して自分が独房を出るとした、という動機が、
 全く共感ができない。
 同様に、未来に成りすまして、叔父である新藤を殺す理由も、
 ヘリコプターの発着場で四季にナイフで刺された叔父が死ぬ間際に四季をかばって
 普通に無線をするようなふりをして見せる理由も。
 天才の思考はわからない。という説明でも、あまりに飛躍しすぎている。

・言葉のおもしろさや、キャラクターの魅力が素晴らしいのだが、ミステリーとしてWHYがいびつで、もったいないなと思ってしまった。

・四季の存在感がすごくて、四季シリーズとしてスピンオフするくらいなのだけど、殺人を次々と犯し逃亡を続けるキャラクター=アンチヒロインとして受け入れるのがちょっときつい。
実際は殺人はしていないけどしたことにされている。というようなキャラクターなら共感できるが、実際に殺人をして逃げ続けている。というのが、シリーズにするキャラクターとしては、個人的に重い。

・主人公である犀川助教授と西之園萌絵トークが軽くて、緊張感のある世界をうまく和らげているように感じる。