★雪崩。

 

アンディ・ウォーホル・キョウト展の会場内を歩いていたとき、

ものすごく「ワクワクっ」としたのです。

 

だけど、その直後、どどどーっ、と雪崩のように

頭の中に焦燥感のようなものが押し寄せてきて、

アドレナリンが、どばっと、噴き出したのです。やばい。

 

アンディ・ウォーホルポップアートという

ムーブメントに火をつけた歴史的なアーチストだけど、

その生涯の仕事の、上澄みともいえる多くの代表作が、

この一瞬で脳に飛び込んできたというショックはもう、

途方もない迫力だったのです。

 

だけど、その刹那、

ウォーホル展もすごいけど、家に帰れば、

極上のミステリーやら、大河ドラマやら、映画やら、

テレビゲームやら、マンガやら、、、

次々と同じくとがりまくっている幾多のコンテンツが

待っていることに思い至ってしまったのである。

 

果たして自分は残りの人生をかけて、

どれだけこれらのコンテンツの待ち行列

ゼロに近づけることができるのだろうか、なんて考えたとたん、

それは娯楽を超えて、雪崩のような恐怖になっていたのであった。

 

更に、コンテンツの在庫が溢れるこの時代に、

自分の生きる場所はどこにあるのだろうか。なんてことにも

気持ちが向かってしまって、

もう、美術館にいたときは、脳内がしっちゃかめっちゃかに

なってしまっていたのだった。

 

ある意味、幸せなことなんだろうけど。

 

楽しいものを全て味わいつつも、自分としても表現者として、

作品を社会に還元する。

それをしないともう申し訳なくて耐えられなくなるのである。

 

でも、それって、映像化すれば、

雪崩に追いかけられながら、映画見て、ゲームやって、

油絵描いているような感じで、もう、狂気なんですね。

 

本当、狂気です。狂ってる。□