★まとめ読み禁止令

 

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」について、

初回は、おぼこい青年だった義時が、

ラストには、大義のためには家族すら殺める極道・義時に

変貌しているのが、壮絶だったのだけど、

 

舞台裏の特番かで、脚本の三谷幸喜氏が、

「キャラクターと役者が、

 1年を通じて共に成長していくのが、

 まさに大河ドラマの醍醐味なんです」

といったようなことを言っていて、

視聴者も、1年をかけて1週間ごとに

その成長を見守るのが大河ドラマなのだと思ったのです。

 

ほぼ日の學校で浦沢直樹先生が、

「漫画のまとめ読みってやってはいけない。

 だって週刊連載していて、その都度、

 作者の成長や体調が描き込まれているんだから

 それを読者は一緒に楽しまないと」

というようなことを言っていて、

大河ドラマと一緒だなと思ったのです。

 

まとめ読み。とか、イッキ見。とかよく聞くけど、

あらすじを一気に脳みそに流しこむのもいいけど、

確かに、本当の楽しみ方は、

物語の表層を追うだけではなくて、

作り手の成長や変化までもリアルタイムで味わっていくのが

よいのではないか、と思うのです。

 

忙しい時代だけど。

 

忙しい時代だからこそ。□