1位「関心領域」
1位「パーフェクトデイズ」 ヴィム・ベンダース監督×役所広司
3位「きみの色」
4位「ルックバック」
5位「DUNE1」
6位「ゴジラ-1.0」
7位「呪術回戦0」
8位「スーパーマリオザムービー」
9位「日本沈没」
10位「海の沈黙」倉本聰 作
次点
・「バルカン超特急」
・「ファイトクラブ」
・「TAR」
・「オッペンハイマー」
・「ちょっと思い出しただけ」
・「最後の決闘裁判」
・「火口のふたり」
・「クライマッチョ」
・「エイリアン ロムレス」
・「湯道」
2024年は20本。例年本数が減っているが仕方がない。
それでもこれだけ観られたことに感謝したい。
今年は「関心領域」と「パーフェクトデイズ」を同率の1位とした。
育児に毎日のほとんどの時間がとられていく中で、自分の存在が世界から置いてけぼりにされるような焦燥感や、がんばってもがんばってもどこからも誰からも感謝の言葉なんてものはなく、あるのは小言やら恫喝だけのような日々が続く絶望の中にいる自分に、この2作品が強くシンクロされたのである。
「関心領域」はアウシュビッツの隣に優雅に暮らす所長の家の見えない狂気を描いた作品で、一般的には、ナチスがもたらした狂気を描いた作品ともとれるが、作品が描きだしたのは「他人への無関心」という暴力であり、ナチスは一つのモチーフでしかないと感じた。防空壕のような自宅の中に閉じこもり日々育児・家事、そして業務に埋没していく自分を、目にも入れていない、歯牙にもかけていない「他人」という存在に、とてつもなく大きな見えない暴力を感じていた。それがこの映画によって映像化されていると強く感じたのである。
対して「パーフェクトデイズ」はトイレ掃除をして、一杯の酒を飲み、古本屋で手に入れた書を読みながら眠りにつく、なんの変哲もない毎日を淡々とすごす主人公の姿に「パーフェクトとはなにか」が見えてくるというところに、すごく助けられた気がした。自分の日々もしっかりパーフェクトなんだな、と気づけたところに救いがあったのだ。
この2本が、崩壊しかけるこの1年自分の心を掬い上げてくれたといっていい。
「きみの色」は映像、色、音の美しさが圧倒的で、かつて訪れた旧五輪協会がロケ地になっているところもうれしい作品だった。ストレートに小さな青春なのだけど、全然くさみがなくて、すっげえな、と感じた。
「ルックバック」は原作の勢いを消さずに見事に映像化していて、思わず原作を買いなおして読んでしまった。ちょっとした救いを入れながらもそれでも容赦なく受け入れなくてはならない現実のつらさやさみしさを、主人公の背中に感じた。
「DUNE」はデビッド・リンチ監督のやつで懲りていたのだけど、やはりSFとしての金字塔だしそれでもなお映像化に挑むという挑戦で見事に立て直したと思う。原作がきっちりと終わった作品ではないので、どこまで映像化するのかは期待をしながらも苦い気持ちで、待つ。
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