もやテン2024 音楽部門

 

1位 ユニコーンクロスロードツアー@フェスティバルホール
2位 竹内まりやNewAlbum「Precious Days」
3位 椎名杏子「ドライブ」
4位 米津玄師「さよーならまたいつか」(朝ドラ「虎に翼」主題歌)
5位 TM NETWORKGET WILD Reboot」
6位 GreepyNuts「Bling-Bang-Bang-Born」(「よふかしのうた」)
7位 YOASOBI「舞台に立って」
8位 ゲスの極み乙女「Funky Night」
9位 かまやつひろしゴロワーズを吸ったことがあるかい」
10位 椎名林檎NewAlbum「放生会

 

想像を超えた過酷な育児家事を乗り越えて、なんとか行くことができたユニコーンのツアー。正直、とても行けるような状態ではなかったと思うのだが、あのときはどうしても息抜きをしなくては死んでしまうというような状態でボロボロになりながらも強い執念で会場に向かったのだ。フェスティバルホールの壁面の上空には、ぽっかりと浮かんだような2人用の席があり、あの席はもう何十年もファンクラブを続けているような特別な人のための席だ、というようなことをずっと思っていたのだが、このたびの、あの満身創痍の状態でようやくたどり着いた席が、まさにその席だった時、震えるような感動があった。ライブそのものよりも、あの時の記憶がもう脳に焼き付いちゃって、もう今年は、これなんです。
二席しかないもう一つの先にすでに女性が座っていたんだけど、しばらくするとすっと立ち上がってどこかに消えた。あれは席を間違えたのだろうと後で気づいた。二席しかない空間で、全く別の他人をくっつけたりはしないのだろう。その後、その空いた席には誰も来ず、もう完全に貸し切りの個室のような状態でユニコーンを拝聴したのである。

竹内まりやはもういわずもがなですね。ほとんど姿を現さないのに、数年、数十年に一度に発表する楽曲やアルバムがいつも輝きを絶やさない燦然たる作品なので、もう「ずっといる」のです。寡作だとか誰も思ってもいない。アーチストとして最も理想的な表現活動を続けておられると思う。

椎名杏子「ドライブ」は幼児番組シナプしゅのヘビーローテーションの楽曲。いわゆる、みんなのうたのようなものですが、映像も楽曲も、強く耳に残ってる。応援歌のようにも聞こえるのだけど、儚さのようなものが覆っていて、言葉に言い表せないさみしさのようなものがただよってる。

米津玄師とYOASOBIを今年の紅白歌合戦に呼べなかったことは、大きな損失だったと思う。流行語にもノミネートされた朝ドラ「虎に翼」の主題歌と、パリ五輪のメインテーマとしてどちらも何度も耳にする名曲だった。この2曲さえエントリーされていたら、いっそうの充実があったのだと悔やまれる。Creepy-Nutsは出てくれるようだけど。□