1位 「育児図」二紀展準会員賞受賞!(授賞式に行けず粛清)
2位 永観堂「二十五菩薩来迎図絵扉」「二十五菩薩来迎図」「十界図」
3位 村上隆 もののけ京都 @京都市京セラ美術館
4位 塩田千春 つながるアイ @中之島美術館
5位 荒井経 欅と牡丹 @ギャラリーCreate洛
次点
・ 藤田嗣治 心の旅路 @大山崎山荘美術館
・ アンドリュー・ワイエス @大山崎山荘美術館
・ 古代メキシコ @国立国際美術館
・ 円空 @あべのハルカス美術館
・ 福田平八郎 @中之島美術館
・ 雪舟伝説 @京博
・ 村上裕二 当麻寺障壁画 @あべのハルカス先行公開(いけなかった)
二紀展準会員賞受賞は吉報だったが、やっぱり今なおすっきりと受け入れられずにいる。どこかに今の組織の情勢や、個人的な情などが入り交ざった結果のできごとのような気がしている。まぁ、来年以降も同等かそれ以上の作品を作り、発表していくことで自分に対するその疑いを晴らしていくしかないとは思っている。
永観堂は、紅葉が有名なので、多くの人は寺宝をおまけのように思っているのではないか。だが、自分にとっては紅葉がおまけである。長谷川等伯の波濤図や、今年公開された二十五菩薩来迎図絵扉は、日本美術の中でも息をのむほどの作品である。これほどに緻密で美しい緊張感にあふれる作品が匿名で静かに厨子を彩っているという、謙虚さ健気さもまた美しい。日本人の美の表現に対する奥ゆかしさすらも作品になっていると感じる。
村上隆の制作スタイルや世界観、全てが日本での美術の常識を超越している。
京都を代表する多くの日本美術を下敷きにしながら、圧倒的な破壊力と想像力で視覚に強いインパクトを残す。入場してすぐ目に飛び込む洛中洛外図に息をのむ。息をのんだまま出口に向かうほどの美術体験があった。
塩田千春は、数年前の六本木の展覧会に比べると規模が小さかったと思うが、入ってすぐ目に飛び込む白い糸と水で作られた「巡る記憶」の、あの包み込まれるような体験だけでも充分に大きな価値になっていたと思う。思い付きじゃなくて、もう一生をかけて考え続け実験を続けて、の今なんだ。すごくないわけがない。□