ほぼ日の學校 老いと死2 阿川佐和子 VS 糸井重里

 

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そっか、私、もう介護されてるんだ(笑)。

 

3

私、あるとき、
お尻がものすごく痛くなっちゃって、
もうどうしようかと思って。
なにしろ年をとるのはじめてだから」

 

私くらいの年になると
えっ、はじめて!」みたいなことって、
どんどんなくなっていくと思っていたところ、
瀬川さんのそのことばを聞いて、
まだまだ山のようにあるじゃないか!」と。

 

だから、息絶えてから
いやぁ、はじめて死んだんだけどさ」
っていう話ができたとしたら、
そんなおもしろいことはないんだろうなぁ。

 

そういうふうに考えると、
耳が聞こえなくなるとか、ものを忘れるとか、
それこそ誤嚥性肺炎を起こすとかも、
年をとらなきゃ経験できない
鮮度」のあることだって思ったら、
けっこうまだまだ私なんて、
小学1年生くらいな感じなのかもしれない。

 

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伊集院静氏のエピソード)

 

5

大塚先生は、
病院中がすき焼きの匂いになってもいいと。
食べたい意欲があることを重視しましょう」って。

 

何が嫌なのか、何を怖がってるのか。
病院のどのへんが居心地悪いのか。
リハビリをするときはどんな気持ちなのか。
そのほんとうのところって、
自分が高齢者になってみないと
やっぱりわからないことだらけなんですよね。

 

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ゴルフについて私が感じるのは、
たまにいいショットが出るんです。
私にはあれが打てたんだから、
もう一度できるはずだ」って思えるんです。
それは向上心があるというより、
もう一度あの快感を!」って感じに近い。

 

植物でも犬でも猫でも、
そんなつもりがなくても
みんな生きようとしてるんですよね。
それを「向上心」というのか、
気持ちのいいことをしたい」なのか、
いろんな名前はあるかもしれないけれど、
ぼくはその根本にあるのって、
生きたい」じゃないかなって思うんです。

 

7

 

8

なんで母のときは冷静でいられたかを考えると、
やっぱり長い時間をかけて、
ずっと見送ることができたっていうのが
大きいのかなってそのとき思ったんです。

 

9

どこかのところで、
その人たちのおかげだと思ってます。
だから、ほんとうは生きてるときに、
そのお礼ができればいいんだけど、
それはやっぱり返しきれないんですよ。
だから、そういう人がみんなぼくの葬式に集まって、
あぁ、よかったなぁ」って
思ってるところをイメージすると、
いまの自分の生き方にも影響するんです。

 

遺言はいまから自分で実行しろ」
ってことをひらめいたんです。
これ、自分では発明だと思っていて。

 

よみうりランド慶友病院の大塚宣夫先生も
同じようなことをおっしゃってました。
孫や子どものためにお金を
残さなければいけないっていう考え方を、
まずは捨てなさい」と。
お金を残すよりも、
自分に介護が必要になったら孫を呼んで、
どんどんおこづかいを渡せばいい。
自分の車いすを押してもらうときに、
いちいちおこづかいを払って投資しろ、と。

財産を分けるときのもめごとを考えたら、
生きてるうちにどんどん使ったほうがいいって。

 

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ぼくは大昔から
通夜のにぎやかな人間になりたい」
というのが人生の目標ですから。
もしノーベル賞をもらったとしても、
みんながノーベル賞の話をしてる葬式なんて、
ぼくはうれしくないです。

 

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自分の葬式をパーティにする。

 

 

【学んだこと】

・年を取り変わっていく「ネガ」を「はじめて」と捉え直すという斬新な目。

・自分の葬式をどうしたいか。
 そこまで深く考えていたか、ということが収穫。

・自分の葬式をパーティにする。というポジ。

・生きているうちに遺言を実行するというアイデアも斬新。