制作日記 二紀2024受賞者展 2

 

描く中での、

「体があたたまっていない」

「加速状態に入っていない」という感覚。

 

本当はもっと大きな筆でざくざく描いて行かなくてはいけないフェーズなのに、前回触った部分が予定外に面白くなって壊せなくなり、そのまま小さな筆でちょこちょこと描いて、逃げ切ろうとする。

そんなときに、この感覚に陥る。

やらねばならなかった作業が、そんな偶然棚から落ちてきた牡丹餅でごまかせるはずがないのに。

楽していいものを作ろうというずるさが自分を暗礁に落とし込んでいく。

 

結局、ちがう!と気づいて、全部それを壊す。そこから、やっと始まる。

最初から、壊したらいいのに。

 

今自分が制作の中のどのフェーズにいるか。

それを認知し、そのフェーズでとるべきアクションを忠実に実行することが重要だ。

各フェーズでやることは決まっている。それを守ること。例外はない。

そこに、ショートカットしようとか、思いつきでごまかそうとか、わき道に入っていくから、迷うことになる。

 

今なんとなくうまくいっているところがあっても、壊す事を恐れず、

ゼロにするつもりでどんどん動かし、体を温める。そこからだ。□