NHK朝ドラ「あんぱん」が始まった。
アンパンマンの作者・やなせたかし氏の生涯をたどるドラマということで、自然と期待値がものすごく高くなってしまっていたのだが、
3~4話まで見たところで「何か、違う」と感じてしまった。
まず、オープニングが、違う。
カラフルな建造物が次々と建っていくCG映像が、なんだかうるさくて、落ち着きがない。その中を白いドレスのヒロインが走っていくが、やなせたかし氏の妻としてのイメージに合わない。楽曲もなんだか現代的過ぎて、耳にうるさい。
総じて、子供たちのあこがれのヒーローを生み出したやなせたかし氏とその妻、その時代を描くドラマに、映像も楽曲も、全くかみ合っていないように思う。
映像も、楽曲も、それぞれ単品としては優れていることはわかる。
だが、これから半年、「あんぱん」のオープニングとして、毎朝これを眺めるのか、と思うと、食べる前に胃もたれしてしまう。
そしてドラマの方も、なにか違う。
史実では、やなせたかし氏と妻が出会ったのは就職した後のことらしいが、妻をヒロインとしたドラマとしたため、ドラマとして史実を曲げ、幼少のころかからやなせたかしのクラスメートとして妻を登場させているが、ぶっちゃけ「邪魔」である。
やなせたかし氏は幼少のころ、東京で父・母・弟との4人家族で暮らしていたが、弟が叔父の養子に取られ、父が亡くなり、さらに叔父の家に母と二人で居候することになるが、母が別の男と結婚するといって、やなせたかしを置いて一人出て行ってしまう。
幼少の少年にとっては考えられない悲劇のはずだ。
当然、このふつうでは考えられない悲劇をドラマの真ん中に据えるべきなのだが、ドラマは、その重要な悲劇のポイントの1つめである、父の死は、既に死んだところから始まりカットされている。なぜそこを描かないのか。
さらに、その続く悲劇に共感したい視聴者の前に、ハチキンのヒロインがたちはだかり、視界を遮ってくる。史実を曲げてヒロインをねじ込んだため、最も見たいドラマが霞んでしまった。
この段階で、観るのをやめよう。と思った。
かつて時間があるときならば、それでも最後まで観ていたと思う。
だが、今時間の無い自分にとって、これを半年もかけて観ていくのは大変なロスだ。
そもそも、アニメでもドラマでも、違和感を持ったまま見続けていて、あとからV字回復するという事例はこれまでの人生経験でほぼなかった。そういったことも鑑みて早々に断つのが吉だと思う。
やなせたかし氏の物語であれば、ドラマとして半年の時間に膨らませたものを眺めるのではなく、本人が残した書籍や、古典ラジオ等、事実を正しく単刀直入に伝えるものがたくさんある。こちらで見るのが良いのではないかと思う。
ドラマを早送りで観て行くことを、タイパと呼ぶのでならば、
ドラマを観ることすらやめて、より精度の高い書籍等、他の手段で見る事。
それこそが、本当のタイムパフォーマンスだと思うのだ。
まさに、それこそが本当のタイムパフォーマンス、シン・タイパと呼んでいいものだと思うのだ。□