制作日記 2025大阪二紀展(1)(出品まで31日)

 

今年の新しい制作が、また始まった。

 

F130号の2作品目である。

 

昨年初めてF130号作品の制作を始めたときは、家事やら育児やらで、ぶっちゃけ「絵なんて描いている暇ねえよ、くそったれ」というような感じだったが(皮肉にもそれが作品をとがらせて初挑戦でいきなりの準会員賞を受賞)、

そんな経験を踏んだうえで改めてF130に向かってみると、あいかわらず時間はないはずなのに、追い詰められている感じがほとんどない。

当時の「できなかった」自分に免疫ができていて、「たぶん描ける」という余裕ができている。

 

絵は、自分の中ではF50号くらいがベストなサイズだと思っている。
F130号なんて公募団体側のルールが無かったら絶対描くことはないだろう。

とにかく、ばかみたいに大きいし、なんで無理をしてこんな巨大な絵を描かなくてはならないのだ。という気持ちがある。

 

だけど、2回目の挑戦で改めてキャンバスに向かってみると、F130は意外と好きかもしれないと感じた。

 

昨年同様2枚で1枚の絵とする計画なので、もはや巨大な壁画である。

 

座り込んで全体の右下あたりに絵具をつけているとき、ふと左上あたりを眺めてみると、はるか遠くに次に描かなくてはいけないところが見えていたりする。

いわば、キャンバスの上がオープンワールドのテレビゲームのようだ。

自分の身長よりも大きなフィールドなので、当然全体に一回絵具をおくだけでも3,4時間の労働になる。むしろ、今日はこの部分のここだけ。というつまみ食いのような描き方をこつこつやっていくしかないのだが、そうやって紡ぎあげていくような過程が、なんだか楽しいのである。

 

手元を描いているのに、目は次に描きたい別の箇所を眺めたりしている。

広大な田んぼに、稲穂を植えていくような気持である。

 

そうだ、俺は今、キャンバスの上で農業をしているのかもしれない。

といったのは、わたなべゆう先生だったが、今まさにそれを体感した気持ちである。□