制作日記 2025大阪二紀展(2)(出品まであと28日)★

 

生後2か月の赤ちゃんを、

慎重に、丁寧に、なんとか腕の中で寝かし付けるが、

ベッドの上に置いたとたん、背中スイッチが発動し、

即座に目を覚まし、狂ったように泣き始めてしまう。

どうしたらいいか。

すなわち「自分そのものが、赤ちゃんを抱いたまま、

そのままベッドになれば良い」

実際はそんなことはできない。

親も人間だ。体力の限界もある。

だが、それが世の中の親を泣かせる

「背中スイッチ問題」の究極の解決策だろう。

 

今目の前にある制作中のF130号の作品に、

背中スイッチに悩んでいた当時の自分がシンクロする。

広大なキャンバスの上に気の向くまま、感覚の向くままに、

絵具を置いていき、ある程度煮詰まった時、

それをそのまま完成としてしまう。

親が子をベッドに移そうとするのは、親のエゴイズムだ。

子はそのまま親に寄り添ったまま眠りたいのだが、

親の都合、エゴイズムで子を引き離そうとしている。

 

絵も同じだ。

今手の中で自然にあるべきところに向かっている絵を

完成させるために、作家のエゴイズムで引き離さない。

それが自分にとっての「良い絵」の解答だと思う。

 

絵を着陸させようとしない。

もはや今いる上空を到着地点とする。そういう境地。□