来週に開催される茨木美術協会展に、
8号の作品を出品する予定である。
だが、正直なところ、ちっともやりたい気持ちが起こらない。
出品することは宣言してしまったし、
会期中は会場の当番もすることになっているから、今更辞退はできない。
刻一刻と〆切が迫るなか、また明日、また明日、と先延ばしにしていて、
ちっとも進まない現状が、脳裡にこびりついていて思い出すたびにため息が出る。
流石にもう着手しなくては、と無理やりアトリエに入り、キャンバスを広げて一手目を描いてみたが、やっぱりろくでもないものが出来そうで、ますます気が滅入る。
やりたいようにやればいい。
ふと、そんなフレーズが頭に浮かんだ。
タブローを描かなくちゃいけないと自分を追い込んでいたけど、
別にタブローじゃなくていい。
鉛筆で描くとか、万年筆で描くとか。
今自分がやりたい道具で、やりたいようにやったらいい。
頭のどこかに小さな穴があいて、
中にたまったガスがすっと抜けていくような気がした。
それだ。それでいい。
ルールを作って苦しめているのは自分なのである。
であれば、そのルールを壊すのも自分でよい。
やりたいように作ってみる。
モチベーションが戻ってきた。よし、描こう。今回は、鉛筆だ。□