キャシアン・アンドー(ネタバレ前提)

 

かなり無理をして観た。

とにかく、長い。

1クール12話×2クールの合計24話。

 

全体を通して、他のスターウォーズシリーズのようなエンタメ性はほとんどなく、ただただ、「暗い」。
帝国に日々いびられ、苦しめられ、ひっそり身を隠すように暮らしているアンドーや庶民たちを中心に描かれるその世界の暗さに、気持ちが重くなる。

Disney+で配信されるシリーズのうち、「マンダロリアン」に並んで「キャシアン・アンドー」は人気があると聞くが、自分にはしっくりこない。

 

ただ、この機会に「ローグワン」も通して見直したが、やっぱり「ローグワン」は素晴らしい。

「ローグワン」が、圧倒的に素晴らしい。

「ローグワン」は、帝国の秘密兵器デススターの設計図をレジスタンスたちが奪うまでの活劇が描かれているが、後半の戦いはまさにスターウォーズらしい映像美が満載だし、帝国やダースベイダーに追い詰められる緊迫感の中、レジスタンスたちがバケツリレーで、レイア姫の手まで設計図を、命を懸けて届けるシリーズ屈指のスリリングな展開。

ラストで、レイア姫が振り向き「希望です」というシリーズ屈指の驚愕のシーンが現れた直後に、スパッ!とメインテーマが流れスタッフロールに突入するテンポの良さは、本編をしのぐといっても過言ではないほどのシリーズ最強の強烈な光を放つ。

 

キャシアン・アンドーの24話に亘る暗い物語は、このローグワンのラストの強さがあるからこそ、引き上げられるものである。あのシーンがが無かったら、自分は途中で投げていたかもしれない。

改めて、長い。のである。

 

但、セカンドシーズンのラストは、ぐっと映像や緊張の密度があがったと感じる。

デススター開発のための材料採掘で支配される惑星ゴーマンでの市民と帝国の戦い。

スパイとして活動していた女性政治家モン・モスマの決死の演説からの亡命。

アンドーを育てたルーセンの逮捕~クレヤの病院潜入によるルーセン暗殺~クレヤの亡命。

このあたりの展開は映画に並ぶ密度があったと感じる。

でも、やっぱり1stシーズンは観なくてもいいかなあ、刑務所からの脱出は見ごたえがあったけど。

 

あと感じたのは、「帝国」って、こんなにしんどいのか、という。

帝国内にいても、ちょっとしたミスで逮捕されるわ、殺されるわ、スパイ容疑で粛清されるわ。昨日の仲間を今日自らの手で殺すなんてのも日常で。

外部の庶民たちに対しても、鼻くそほじったくらいで逮捕。みたいな。魔女狩り三昧だ。

こんなにしんどい組織なんて、続くのかと。3日もしたら崩壊するぞ。ふつう。

なんで、こんなにしんどいことをやっているのか。と思えば、

恐怖で中も外も支配する。その恐怖心が俺の食事だ。

という完全独裁のパルパティーン皇帝一人の宇宙レベルでのワンマン支配。

帝国職員も、パルパティーンの奴隷として使われている。

そう考えればその狂気も納得がいく。

 

全体と通じて、本編ではジェダイVSシス(帝国)という完全懲悪のヒーローものとして描かれていた世界観が、キャシアン・アンドーやローグ・ワンを通じて、「帝国ってこんなに怖いのよ」というのが深堀されたのが、ファンにとっての大きな価値だったのだろうと思う。

 

でも自分はやっぱり、「マンダロリアン」「アソーカ」「ボバ・フェット」が好きだな。□