1位 「タッチ」あだち充
2位 「風の谷のナウシカ」宮崎駿
3位 「少年時代」藤子不二雄A
4位 「HUNTERXHUNTER」冨樫義博(21巻まで)
5位~該当作なし
自分の時間がない。ない時間をどれだけ有効に過ごすかを常に真剣に考えている。それに合わせて、短い時間でも充実した読書をしたいと思うようになってきた。漫画についてもしかりで、漫画史上にしっかり足跡が残っていくようなストーリー漫画の傑作を厳選して、じっくりと、ゆっくりと楽しみたいと思い、少しずつ読んでいった。
「タッチ」はいわずとしれたあだち充の代表作だ。なつかしのアニメを特集した番組では、ほぼ100%アニメ版タッチのOPの楽曲が流れ、双子の弟が亡くなるシーンが放映される。原作の連載やアニメをオンタイムで観ていた人は、そんな番組をみて強烈に焼き付いたこの歴史的傑作と共に生きた青春を思い出すのだろう。だが、自分が少年サンデーを読んでいたころには、タッチは終わっており、読みたいと思いながらも手に取る機会がなかったが、ほぼ日の糸井さんが絶賛していたのを見て、今こそが読む時だ!と手に取った。
単刀直入に、素晴らしい(素晴らしすぎる)。現代の漫画は、こういった大傑作を踏まえての今なので、ある意味描きつくされ、読みつくされているところに、新規性のあるストーリーを掘り出さなくてはいけないので、編集者や原作者ともパーティを組み、チームで面白い漫画を緻密に練り上げて作っていくというようなスタイルになってきているが、「タッチ」のような80年代の漫画は、ストーリーや描き方は概ね、作家にゆだねられていただろうし、全体の骨格が出来たら、他の細かいところは、まるで大喜利のように、毎回の思い付きで描いているような、いい意味での「ゆるさ」がある。これは、作家自身に、もう一回同じことをやって。と頼んでもできないような「勢い」もあって、あだち充のような本当の天才が、作家として一番力を発揮できる「思い付き」と「勢い」で描けた時代の作品であるところで、もう二度とこんな作品は生まれえないだろうとすら思う。「タッチ」はそういう傑作だと感じた。それは、風の谷のナウシカとか少年時代にもそういうエッセンスがあると思う。
芯が強くて、それでいてしなやかな漫画。というか。この先何度も繰り返して読むことになるだろう傑作と出会えて幸せだった。
地区予選の熱すぎる手に汗握る死闘と、野球を描かない甲子園とか。前にも後にも見たことのないひねりと、素晴らしいラストは、優れたミステリーの大どんでんがえしにも匹敵すると思う。
「HUNTERXHUNTER」も、そんな時代のエッセンスを持ちながら今の時代にも揺るがない、逆に今の作家にも影響を及ばせるような力強さで連載が続いている傑作だ。富樫先生もかなりのお歳だろう、休載が続いたりしながらも、命がけで1冊1冊を生み出しているのがネットでニュースになるたび、しっかりその「今」を見届けなくてはという気持ちがあって、今ようやく読み始めた。ドラゴンボールとかJOJO、ドラゴンクエストなど優れた作品たちの影響も取り入れながら、緻密な心理戦や論理戦(いうなれば、小説を読んでいるかのような長いネーム)で強い独自性を打ち出している。主人公ゴンの父親捜し、クラピカと幻影旅団との死闘、キルアの殺し屋ファミリーとの決別、レオリオの医業の夢、その他サブキャラクターたちが探しているものなど、伏線が張られまくっているが、全部がのびのびと放置されて、面白さ最優先!で、ハンターライフが描かれているが、伏線回収は描き切れずに終わるのではないかという覚悟もしながら、それはそれでOKと受け入れながら、楽しく読ませてもらっている。
アニメは全く見られていないので該当は無し。□