透明になる。

現在製作中の100号の油彩が完成に向かっている。


大作といわれる絵を描くのはこれが初めてで、この4ヶ月間は師よりかなり厳しい叱咤を受けてきた。


叱られるたびに、もういいじゃねえか。勘弁してくれよ。という気持ちにもなる。


指摘されている内容について観念的には理解できても、本質が脳髄にまで伝わってこない。どのように直したらいいというのか。教えて欲しいと思う。が、当然そんなものは師が知るはずもなく、自分の中にしかないことなのである。怒りや不安は全て自分にはねかえってきた。


だが、どんなにしんどくても「やめる」という概念は頭に微塵もない。
同時に誰かに認められたいとかそういう虚栄のようなものも最早なく、次第に透明になってきている気がする。
うまいもへたもない。ただこの頭の中にあるものを外へひっぱりだしたい。それだけである。そしてこの苦しみはこれは一生続くのだろう。



でも戦う。楽しむ。これが人生だ。□