今日の一冊

 

「雲をつかむ死」 アガサ・クリスティ著 加島祥造訳 早川文庫

 

f:id:massy:20201130225500j:plain

 

離陸中のフライトの中でマダム・ジゼルが殺害される。

機内にいた限られた人間の中に犯人が必ずいる!

空中での殺人事件というシチュエーション設定が斬新で面白い。

50ページを残すまで、全く結末が見えない引っ張り方。

そして意外な真相と犯人。

やっぱりアガサ・クリスティはうまいね。□

 

(以下自分向けのメモ。全部書きます。未読の方は読まないように!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:massy:20201130230734j:plain

犯人は、ノーマン・ゲイル。

旅先のカジノで主演女優ジェーン・グレイと出会い、熱い恋におちる。
二人の恋の関係は物語中でも、かわいらしく描かれており、時には二人でポアロに協力するシーンなどもあって、事件解決に向けてがんばっていたりするのだけど、実はそこが「真犯人から読者の目を遠ざける」というアガサ・クリスティのうまさを感じる。

読めば読むほど、読者の真犯人のリストから除外させるように仕向けておきながら、実は、彼が犯人だった。ともっていくのである。

 

被害者のマダム・ジゼルは金貸しをやっていて、恨みをもつ人間や、その遺産を狙う人間がたくさんいるという設定。
肉親もほとんどいないが、唯一、ほぼ生き別れをした孤児院育ちのアン・モリソーが遺産の唯一の相続人であることが分かってくる。

マダム・ジゼルは首筋に何かに刺されたような跡があり、機内を飛んでいる黄蜂か、機内に残された毒吹矢が直接の原因であると推理が進んでいくが、実はこれらはすべて、犯行手段や、犯人を他に見せかけるためのカムフラージュであった。

実際は歯科医のノーマン・ゲイルが席を立ち、機内のスチュワードの制服が歯科医の制服に似ていることを盲点にして、スチュワードに変装し、ジゼルの席まで行って毒針を首筋に刺したというのが犯行の真相。客はスチュワードと思い込んで誰も殺人現場に気が付かなかった。
ノーマン・ゲイルはジゼルの娘アン・モリソーの夫であり、ジゼルを殺してアン・モリソーに遺産がわたったのを契機に、彼女も殺害して、ごっそりとジゼルの遺産金を奪い、旅先で知り合ったジェーン・グレイと結婚して逃げおおせる目論見だった。

アン・モリソーは冒頭で登場したギャンブル狂でジゼルに金を刈りまくっていたホードリー婦人のメイドをしていて、機内に乗っていた。
その関係を悟られないように、ノーマン・ゲイルは、様々なアリバイやトリックを盛り込んで同一空間内に妻やその母がいることを隠そうとしていた。

 

資産家である夫の金を浪費するホーバリー夫人を夫から引きはがして、ミスカーを引き合わせたり、ジェーン・グレイを真犯人から遠ざけて、発掘家の息子ジャン・デュポンに引き合わせたりと、ポアロがキューピッド役をも果敢に実践しているところもなかなかのユーモアで楽しい。□

 

記憶スケッチアカデミー009

 

9回目。ということで。

 

今日のお題: サイボーグ009

※調べずに、何も見ずに、描いてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の答え。

f:id:massy:20201203223306j:plain

..........やばい!
「少女漫画家に憧れてる小学生の女子の絵」みたいになった............(笑)。

で、正解はこちら。

 

f:id:massy:20201203223955p:plain

...........かっちょいい。本物はやっぱりちがうぜえ。

髪型がかっこよさの秘密ですね....。石ノ森章太郎先生、ごめんなさい。□

今日の一冊

 

とんぼの本遊郭」 渡辺豪著 新潮社

 

f:id:massy:20201130223950j:plain

 

落語の「廓噺」が好きだ。

「紺屋高尾」「明烏」「三枚起請」.....。

樋口一葉の「たけくらべ」にも遊郭の描写がでてくる。

今となっては跡形もなくなった遊郭に思いをはせる。

遊びたいわけではない。

そういう非現実な世界が、かつて実際にこの世の中にあって、それが人々を動かし、文化となり、文学となり、美学となり、歴史となり、遺産となりつつある今、それを振り返りたい、消えゆく灯を守りたい気持ちがあるのです。

 

写真集です。

テーマの切り口はとてもいい。

だけど残念ながら、写真や、本としての構成は思ったほどうれしくはなかった。

建築全体の造形を隅々と余すところなく、俯瞰したかったのだけど、極私的なズームアップ多いし、切り取り方に共感できない写真が多くて、ぶっちゃけ、あまり萌えない。

見たいのはそこではない。という気持ちが溢れます。

本当に萌える写真ならば、まず絶対に即買いするだろうし、それを肴に何枚かくらい描きたいくらいの高揚感が溢れるのだろうけど、そういう写真は1枚もなかった。「ここはどこ?!」と感じたり、「匂う」という写真は、ほとんどなかった。

さらに一枚一枚を見るたびにどこで撮影したかを知りたくても、そんな説明が付いていない。

巻末にマップがあるけど、いちいち巻末を見なくてはわからない本としての構成も好きにはなれなかった。

全国の遊郭を歩き、写し、1冊の本を作り出したまでの偉大なる力は感じながらも、読者が見たいことにはつながっていない、そんな感じがして、勿体ない気持ちになりました。

つげ義春の写真であれば、圧倒的にニオイますものね。□

流行語大賞2020

 

2020新語・流行語大賞が発表された。

 

f:id:massy:20201202010040j:plain

 

11/7のブログでは、「アマビエ」「鬼滅の刃」「GoToキャンペーン」あたりが大賞という予想をしてましたが、ひとまずトップテンにはすべて入ったものの、大賞にはなりませんでした。無念。

最近は小池百合子氏の会見を見るたびに「流行語、狙っているな」という気がしていました。まあ、誰にでも伝わるような言葉を選んでいくと、おのずとそんな言葉ばかりになるのかもしれないけれど。

もはや、トップテン全てコロナ関係でよかったのではないか、とすら思う一年でした。

「無観客」や「クラスター」「毒王」「スーパースプレッダー」等も含めてトップテンを全部コロナ関連で覆いつくしたとしても、それはそれで後世に残る記録になったのではないかと思います。

どうぶつの森」と「鬼滅の刃」のエンタメ部門が健闘したのはヲタクとしてはうれしい限りです。あともう一押し、「バイオレットエヴァーガーデン」を入れてもよかったと思います。「サクナヒメ」はちょっと遠かったかもしれない。

次は今年の漢字ですが、やっぱり「禍」でしょうね。これは自信があります。「桜」だったらひっくり返ります。

そろろそ1年を振り返る月になりました。

今年も恒例の、もやテン発表をやります。

長い時間自粛、自粛To押さえつけられていましたが、後半はその反動で爆発が起こって、例年の2,3倍くらい遊んでしまったような気がしています。

さて、今年の、もやテン大賞は!?(これから考える)□

四面楚歌

 

そうだ、東寺行こう。

 

ということでこの秋のスケッチに東寺に行くことになった。

 

f:id:massy:20201122134601j:plain

 

「THE 京都」です。

 

長い時間、コロナでいろいろ先延ばしにしたり自粛しているけれど、これ以上、くさくさしてもきりがない。
できる限りの注意を払いながら行けるところは行きましょう、ということで立案した企画である。直前にコロナの猛威がさらに激しさを増してキャンセルをする人も出たが、来れる人はどうぞというところで決行をはかった。

改めて、それでも行ってよかったと確信をする。

今は丁度、秋の特別公開の時期であり、見所が満載である。
東寺は京都の幾多ある仏閣の中でも見所の質、量は最高クラスではないか。
五重塔の初層公開、立体曼荼羅の裏に回る、国宝十二天屏風公開、等.....。
1300円の共通チケットであらゆる場所を何度でもじっくり見せてもらうことができる。
まさに京都の最強観光地といっても過言ではない。

 

が。

 

スケッチに対しての弾圧の厳しさは最凶ではないか。

 

「スケッチは禁止です」

 

まず五重塔を描いていて警備員に注意を受ける。
写真撮影をする人にも迷惑だろうと、駐車場まで引き下がって改めて描き始めたのだが、またも警備員に見つかり、

 

「スケッチは禁止です」

 

挙げ句の果てには、食堂に入り、焼け残った四天王像を軽く鉛筆で描いていたら、

 

「スケッチ禁止です」

 

今度は一般人の女性までもが、注意をしてきた。
どこに行っても監視の目が光っている。これは厳しい。

いつの間にかどこにってもすっかり描きにくい環境になってしまいました。

美しいものを美しいと感じ、慈しみ描いている人間が、美しいものを汚すことなどあるはずがない、というのが個人的な思いです。

善良な我々を捕まえ糾弾するのは、深夜に壁でスプレーで落書きをするような人々をしっかり取り締まってからにしてほしいと、そう願います。

 

........とは書いてみたものの。

まあ、結局は、この先、正義と正義の戦いになって、それがとても醜悪な展開や結末を迎えることが見えた刹那、そんな局面に自分を置いている自分に耐えられなくなって、やはり。ならば。と退かざるを得ないのが、僕です。□

今日の日本酒

 

月桂冠 つき

京都府京都市伏見区月桂冠酒造/90点)

 

f:id:massy:20201126211325j:plain

f:id:massy:20201126211338j:plain

f:id:massy:20201126211346j:plain

 

普段は料理酒に使っているのだけど、冷蔵庫の中に酒のストックがなくなって、久しぶりに、ぬる燗でいただきましたが。

美味いんです。

当たり前ですが。

ふだん飲んでいる酒がとがった酒ばかりだったから、万人向けに作り込まれたお酒のやわらかさが、沁み込みました。

辛いとか甘いとかそういうのより、まず「やわらかい」のです。

半合をレンジで温め、もみ海苔をかた山芋や、焼き鮭と頂いてみたら、相乗効果で震えるほどうまかったです。

日本人の、日本人による、日本人のためのお酒。日本酒のうれしさ、たのしさを再確認できました。□