2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

半分、青い。

手紙。 本屋。 ビデオ店。 スーパー。 レコード。 おとなり。 料理。 ラジオ。 万年筆。 新聞。 黒電話。 伝言板。 ぼくが大切にしてきたもの。ぼく以降の人たちが忘れようとしているもの。 ぼくは時代の境界に生きている世代だと思う。 「音楽が好きです」…

お祭り好き

お祭りが好きです。 帰り道。どこか遠くの方から祭りばやしが聞こえてくると、どうしても、音のする方へふらふらと足が向かってしまう。さながら、ハーメルンの笛吹き男に呼び寄せられたネズミのように。 普段はどっぷりと闇に浸かり、ひっそりと静まりかえ…

究極の選択

夭折ということばがある。 夭折したアーチストほどすごい作品を遺しているように思う。 松本竣介の「Y市の橋」とか、 靉光の「目のある風景」とか。 あまりにすごいから、神様の逆鱗に触れてしまったのではないか、なんて思ってしまう。神様ですら嫉妬したん…

責任分界点

それはぼくらの仕事ではない。 彼らがやるといっているならやらせておけばいい。 迂闊に手を差し出して、もし失敗でもしたら共倒れだ。 責任分界点をはっきりさせて、干渉はすべきじゃない。 ............................................。 ..............…

今日の一冊

「神様ゲーム」 麻耶 雄嵩著 講談社文庫 新刊でもない。 名前も知られていない。 でもどうしても手に取ってほしい。 という本を、書店が一生懸命、推している。 最近は書店が推薦するそんな本を、なるべく手に取るように心がけています。 本屋に並ぶ本は、圧…

花をかざろう

彼岸花が美しく咲いています。 アトリエではいつも新しい花が咲いています。研究生の誰かが育てたものを持って来たり、買ったものを持って来たりしているようです。春夏秋冬、いろいろな花がやってきます。 アトリエで一緒に描いてきた女の子たちが結婚を決…

今日の一冊

「怪談 牡丹灯籠」三遊亭円朝 岩波文庫 世界って狭いよなぁ。と感じることが多々あります。 会社を退職して、新しい職場に入りました。部署の異動とは違って会社が変わるわけです。職種も大きく変わるし、環境も変わります。前の職場でお世話になった人たち…

今日の一冊

「満願」 米澤穂信著 新潮文庫 漫画が好きだ。 映画が好きだ。 小説が好きだ。 ゲームが好きだ。 描くのが好きだ。 作るのが好きだ。 好きなものがたくさんありすぎて時間が足りない。 でも時間は誰にでも平等で、1日は24時間しかない。 ふだん仕事をしてい…

あのころ ~漫画家デビュー?~

学生時代に、漫画研究会に所属していた。 毎日、5人ほど入れば満室になる狭い部室に、次の授業までの待ち時間や同期仲間との待ち合わせをしながら漫画を読みあさる部員たちが押し寄せていた。ある日、そんな体たらくの僕らの前に、一人の紳士がやってきた。…

プレステミニ!

プレステミニの発売が発表された。 言わずと知れたSONYの大ヒットゲーム機「プレイステーション」の小型版である。20本の往年の名作が入っていて、テレビにつなぐだけで遊べるというものです。 でも、正直なところ、ぞっとしない。なんだか火がつかないんだ…

★今もどこかで

バタフライエフェクトっていうんですかね。 就職活動をしていたころ、いろいろな企業を見学しました。最終的に1つに希望をしぼって今があるわけなんだけど、あのとき東京の企業を選ぶことだって充分に可能性としてはあったわけです。何かの力や、何かのタイ…

ぼくのうつわたち

ぼくのうつわたちです。 手前左=万博公園の蚤の市で手に入れた備前焼。 手前中=中の2つは銀座で手に入れた村上木彫堆朱。ペアです。 手前右=箱根で手に入れた寄木細工。 左奥=アトリエの研究生からの贈り物。 右奥=猪熊源一郎美術館で手に入れた猪熊さ…

夢十夜 Season3 第三夜

こんな夢をみた。 オフィス改革で実家の2階が全てオフィスに拡張・改装され、部署の社員全員が常駐することになる。仕事をするというだけでなく、生活も全てこの場所でするのである。各自のロッカーにはノートパソコンなどの業務機器をしまうだけでなく、着…

必殺技が欲しい

今年の制作は難航している。 連日続く猛暑に体力や気力を奪われたともいえる。胃を壊して集中力がそがれたともいえる。だけどそんなことは見苦しい言い訳なのかもしれない。ただ体力や精神力がおとろえてきているだけなのではないか。 でも、周りで描く仲間…

今日の一冊

「小さな森の家」吉村順三 建築資料研究社 著者が軽井沢に建てたこだわりの山荘を充実した写真とエッセイと設計図で紹介する。建築資料としても価値があるし、美術書としても楽しめる。気持ちの良い空間とは。気持ちの良い環境とは。気持ちの良い建築とは。…

隣の芝はさほど青くない。

隣の芝はさほど青くない。 人間どれだけ歳をとっても隣の芝が青くみえてしまう。人間という生き物は、自分にないものを探す名人ですね。僕はそんな名人になりたくはなかった。でも名人です。小さな声の人は大きな声のひとをうらやんで、大きな声の人は小さな…

ぼくらができること

北大阪地震。大雨。そして台風21号に、北海道地震。 我が国が、災害の多い国であることは体に浸み込むほど理解しているつもりだったけれど、これほどまでに立て続けに災害が起きてしまうと、なんだか災害の受け止め方とか考え方すらも、変わらざるをえない。…

囲い込む

囲い込む。 ちょっと嫌な言葉です。でも大切な言葉でもあります。 例えば、うまいとんかつ屋がある。と聞いてその店に行ってみたとしよう。たしかに美味い。だけど、店の大将がどうしようもなく偏固な人だったとしたら。ぶっきらぼうだったり、なんだかいつ…

名前を呼ぶ

組織が変わって行きます。 ごっそりと人が去って、また入ってきます。 同じ部署に来た人々がわずか数か月後には、あっという間に去っていく。歓迎会はやったけど、人数が多すぎたり全員が来なかったりでお互いろくに名前も覚えていない。覚える間もなく彼ら…

DJおじさん登場

この夏、和歌山の補陀落山寺を訪れたときのことである。 本堂の中に入ると、受付に年配の男性が一人座っていた。「どちらからお越しで?」入るや否や奥から出てきて声をかけてきた。マシンガンDJの始まりである。 「補陀落山寺はなぜ世界遺産となりえたか…

夜の飲み物

夏休みが明けたころから、ずっと胃を悪くしている。 食事の量を減らしたり、ゆっくり食べるようになどしているが、回復の兆しは無い。なんだか毎年、季節の切り替わりのこの時期になると、胃を悪くしている気がする。夏休み中の暴飲暴食のダメージがはね返っ…

とがらせる。

村上春樹氏が「職業としての小説家」か、川上未映子女史との対談「みみずくは黄昏に飛び立つ」かで、作品執筆の舞台裏を明かしている。その中で、氏は一気に書き上げた作品を、何度も何度も推敲していく工程があると語っている。 ぼくが絵を描く過程にもこの…

映画という花

アトリエでの制作の合間の休憩時間。 制作する仲間たちの間で、映画の話に花が咲きました。先日観た「カメラを止めるな!」の僕の力説からです。 「面白かった?」 「どんな映画なの?」 この質問に答えるのは、じつはなかなか難しい。「面白かった」と伝え…

セカンドオピニオン

「増田は前髪がなぁ....。」 (先日に続いて散髪の話です) 最近、絵画仲間の先輩たちと呑んでいたとき、もう少し前髪をなんとかしろ。みたいなことを散々言われました。あれ?と思ったのは、ほとんど同じようなことを以前、全く別の女の子からも言われたこと…

毎日がスペシャル

毎日にタイトルをつけている。 今年になって新しく始めたトライアルです。毎晩眠る前に、ほぼ日手帳を机の上に開き、目を閉じて一日を振り返ります。毎日が光のようにすぎていきます。あまりにも早すぎて、「今日という時間は本当にあったのか?」と、とても…

台風の思い出

台風21号が去った。 ここ近年では稀に見る恐ろしい台風でした。 前日から職場では「全日不就業」の放送が入り、ものものしい雰囲気に包まれていました。とはいえ、これまで台風の騒ぎを経験したことがないわけでもなく、毎度毎度、騒ぐわりには、風やら雨や…

そして誰もいなくなった。

「みんな、いなくなってしまうなぁ」 髪は短ければいい。そう思って、これまでずっと格安の理髪店に行っていたのだけど、そろそろ卒業かな。と考え始めています。 理髪店には数名の理髪師がいて、予約なしで飛び込むと、そのとき手の空いた理髪師が髪を切っ…

不幸が君だけを変える

「人は、他人の不幸を楽しみにしている」 これは人間として生きるものなら、誰もがもっていることだと思うのです。例えば、海外旅行に行った友人のみやげ話を聞いた時。 「行く場所、行く場所、どもこ綺麗で楽しくて。料理もおいしくて最高でした!」 ......…

イバラード

長い間ひとつの仕事をしていると、いつの間にか、同じ仕事に携わる人に出会ったとき、すぐにその人との位置関係というか距離というものが読めるようになる。まるで、目を見るだけですぐに主と従の関係ができあがるサルの社会のように。(ぼくらもサルだけど…

カメラを止めるな!

低予算映画「カメラを止めるな!」が日本全土を席巻している。と、ニュースで聞いた。 限られた時間のニュース番組のトピックスで一映画(しかも規模の小さい映画)が紹介されることは大変、稀である。なんだか、ただごとではない気配を感じた。 B級のゾンビ…