今日の一冊

「ABC殺人事件」アガサ・クリスティ著 堀内静子訳 ハヤカワ文庫(7点)

f:id:massy:20190115212045j:plain


最近すっかりミステリ小説にはまっている僕ですが、そんな話をぽろりとアトリエの仲間に漏らしたら、

「私も大ファンでポアロ作品は全部DVDで持ってます!」

.....と返され、怯みました。

ネタバレされる前に全部読み切らなくては!という気持ちになって手に取った「ABC殺人事件」です。
アガサ・クリスティ作品の中でも屈指の代表作と言われています。

一つの村や館などの閉じた空間で起こる殺人事件ではなくて、次々と場所と時間を変えながら進んでいく連続殺人事件で、サスペンスとしての要素が強いように感じました。

なんの関係もない場所、境遇の人々が、ただアルファベットの名前順という共通点だけで次々と殺されていくのですが、その真意がラストに一気に解消されます。
なんら関係がないと思われながら、我々には見えていなかった犯人の一つの目的、いわゆる「ミッシング・リンク」が解消するというミステリの一つのスタイルが、この作品で確立されたのです。

ミステリ小説は今なお新しい作品が登場していますが、「ABC殺人事件」はミステリの歴史の中でも金字塔のように今の作家たちにも君臨していくのでしょう。

それにしてもポアロは凄すぎです。
作家が生み出した名探偵だからといえばそれまでだけど、絶対解けませんよこの謎は。

今日も読んでいただきどうもありがとうございます。
絵描きにとっては、ポール・セザンヌの絵画が金字塔ですね。□

今日の日本酒

寫樂 純米酒 無濾過生
福島県会津若松市/宮泉銘醸株式会社/評価:10点)

 

二度目の寫樂です。

今回は生。

もう圧倒的に、う・ま・い!です。 合掌!

2017/4/30に飲んだ火入れ純米に増して美味い。

やっぱり寫樂は僕にとってのKing of Kingsです。

「純愛仕込」というキャッチもまた泣けてくる。

 福島の日本酒の美味さは世界の誇りです!

薀蓄:正月明けのはせがわ酒店は生酒オンパレードです。□

 

f:id:massy:20190117235215j:plain

f:id:massy:20190117235233j:plain

 

筆記具の王者

プラチナ社が100周年を迎えました。

デジタルの時代がやってきて、手で文字を書く人が激減する昨今であっても、
今なお万年筆という「アナログの極東」が元気であることを誇らしく思います。

万年筆は、手に取るには中々のハードルを課す筆記具である。

気軽に書けない。

手入れが面倒。

そして高価。

多くの人は、筆記具なんて100円のボールペンで充分だと思っているし、
ちょっと興味があって手に取った人ですら、長く使いこなせる人は中々少ない。

万年筆は、使う者に「高貴なストレス」を与える。
ぼくらは、その高貴なストレスを受け入れてでも、この道具と共生したいと思っている。
万年筆は、この少しでもずれたら崩壊しそうな奇跡的な需要と供給のバランスを、崩すことも、壊されることも無く、100年間ずっと、筆記具の王者として君臨し続けているのである。

これからもずっと万年筆と共に。


今日も読んでくれてありがとうございます。
今年こそはペンドクターのペンクリニックに参加してみたい。□

 

夢十夜 Season3 第十夜

こんな夢を見た。

父と二人で山奥に出かけて狸狩りをした。
いきのいい狸を1匹捕まえることが出来たので、かばんに入れて居酒屋・福ちゃんに持って行った。
大将に狸を渡して調理をお願いして、5,6人で満員になるカウンター席に座り、待つ。
やがて、とてもいきのいい狸肉が豪華に大皿にもられて出てきた。
ひとつひとつのお肉は雪見だいふくのような大きさで、美しい薄桃色をしている。それらが大皿に花びらのように円状に盛られていて見た目も大変美しい。
それらの肉を野菜と共に次々と鍋に放り込んでいく。
美味い。父と二人で最高に美味い狸鍋をたらふく食べた。
ふとカウンターの向こうを見ると、友人の百瀬が全く知らない男と二人で酒を飲んでいる。
どうやら店の入口は反対側の大通りに面した方にも一つあって、そちらから入店したようだ。
酒が好きでないくせに珍しいな。と声をかけると気まずそうな顔をしている。
帰り際に大将に狸の残った部位である脳みそや内臓をおいてもらって、次回また来たときにチタタプにしたり調理してもらえないか、とお願いしたら、大将が困った顔をして答えた。
狸の部位は調理したその日中に食べないと、とんでもない悪臭を放つらしい。冷蔵庫の保管も無理で前回同じような客の要望を受けて大失敗をしたという。
残念だけど残った部位は処分してください。と大将に伝えて福ちゃんを後にした。
父は8時丁度のあずさ2号で東京に去っていった。□

横綱引退

 

横綱稀勢の里関の引退が発表された。

 

いつかは来ると、なんとなく覚悟していたことだったが、実際にその現実が目の前に現れたとき、
まるで、手元にあった卵が滑り落ちて、くしゃっという小さな音を立てて割れてしまったような、そんな喪失感のようなものに襲われました。

2年前の怪我を押し切っての奇跡の逆転優勝からの横綱昇進、そしてその後に長引く怪我との戦い。
ファンとしてはあの栄光を、横綱としての凛々しい姿をもう一度、という気持ちで待ってはいたし、横綱としては、その期待にすぐにでも応えようと無理をしたのでしょう。
復帰したかと思えば怪我のための休場を繰り返し、2年間にわたる苦闘が続くことになりました。

ファンとしてどうしても今がんばってほしいという気持ちがありました。
しばらく休んで復帰できないかという気持ちもありました。
時には、もうやめさせてあげてという気持ちも.......。
それぞれに応える気持ちが横綱の中でも揺れ動いていたことだと思うのです。
だれかに弱音を吐き出したかったのだろうなあと思います。
それでも言葉を選び、逃げない姿勢を最後まで貫いた姿勢・精神は、やっぱり日本の横綱だったと思います。

無念なこともあったろうと思いますが、これから続く新しい力士の育成にまた再出発してほしい。おつかれさまでした。


今日も読んでくれてありがとうございます。
前へ進むアスリートの気位の高さを、しっかり受け取りました。□

f:id:massy:20190116231845j:plain

 

MC

 

「作品」よりも「作家」を観たいのかもしれない。

 

荒木飛呂彦原画展JOJO冒険の波紋」のクライマックスには、
荒木飛呂彦先生が描き下ろす縦2メートルの12枚の巨大作品「裏切り者は常にいる」が待ち構えていた。

レオナルドダビンチの世界的名画「最後の晩餐」をイメージし、インスピレーションで12体のキャラクターを選出し、シルエットを意識しながら描き上げたという。

圧巻の大作である。

最後の部屋には、この12枚の展示だけではなく、作品が生み出されたときのスケッチや、実際に作品を描きながら制作への思いを語る先生の映像も流されていた。

知らず知らずのうちに作品以上に、それらの下絵や映像に食い入るように見入っている自分に気が付いた。

下絵では、何度も何度もキャラクターの並び順やポーズの検討が繰り返されていた。
先生ですら、作品を完成させるときには多くの試行錯誤をしていて苦しんだりしているのだなあと感じた。
映像では、先生自身も体験したことが無かった大作制作に、とまどい、垂れていく絵具にうろたえる姿も見られた。その姿を見て笑ってしまうと同時に、ほっとする自分がいた。

作品をずっと読み続けているファンにとっては、新作を見たいという気持ちもあるが、それ以上に、どのようにあの傑作が生みだされているのか、先生が普段どんなことを考えているのか、どんな失敗をしているのか、といったことを知りたい、学びたいという気持ちがでてきているように思う。

ライブでミュージシャンのMCを楽しみにするような気持と同じなのかもしれない。

先生の制作の舞台裏に踏み込めて、なんだかLUCKとPLUCKをもらったような気持になれました(笑)。


今日も読んでいただいてどうもありがとうございます。
それにしてもお若い。先生が土方歳三の生まれ変わりという都市伝説もあながち否定できまい。www□

 

f:id:massy:20190116002446j:plain