貧乏症

 

ステンレスボトルを買いました。

 

結構、水やお茶を飲みます。
これまでずっと、通勤途中のコンビニで2Lのペットボトルの水を買っていたのだけれど、運ぶのも重いし、経済的でもないから、そろそろやめようかと思っていたのです。
スーパーで麦茶のティーバックをまとめ買いして、浄水器の水でステンレスボトルに麦茶を作ったら、持ち運びも軽いし、経済的じゃないか。そうしようそうしよう。
そんな願いがずっと頭の片隅にあったのですが、なんだかんだで先延ばしにしてしまっていて、なかなか実現しませんでした。

だけどついにこのたび、買いました!
500ミリリットル入るタイガーのステンレスボトルです。

これがすこぶるいい。

デザインがかわいいし、飲んだら捨てるというペットボトルとは違って毎日僕のそばにあるのです。なんだかほっこりします。
たかだか3000円程度でこれだけしあわせになれてしまうものか。
実は、結構貧乏性です。
無かったら無いで辛抱してしまうし、有ったら有ったでぼろぼろになるまでは使いこむ。更にぼろぼろになっても使えるまでは使い続けるのです。
穴の開いた靴も晴れの日なら、と履きつづけるし、取っ手のとれかけた鍋も、取っ手がとれるまでは現役、と使い込みます。
だからたまにものを買うときは、選ぶのにとても慎重になるし、買ったものはまたしつこく長く使いこむのです。

便利もいいけれど、結構、不便というものも大切にしているのかもしれない(それが貧乏性ということなんだろう)。

これからますます便利が進んで、不便が減って来る時代がくるから、将来はむしろ不便こそが大切に思われる時代が来るかもしれないね。□

YAMAZAKI!

今や世界的ブランドになったジャパニーズウイスキー山崎が生み出される聖地である。

10年程前に何度か山崎ウイスキー工場見学に伺ったものだ。とても豊かで楽しい時間を体験できる工場見学だった。
だが、最近工場見学に行った知人から聞くとそのサービスはここ数年ですっかり様変わりしてしまったという。

かつて、工場見学は無料だった。

インターネットで予約し、指定された時間に工場入口の受付に行くと、まず山崎のロゴの入ったウイスキーグラスを1つ無料でいただく(自宅にはこのグラスが2,3個ある)。

20~30名程の見学者が集まり、所定の時間になるとコンパニオンのお姉さんが、ウイスキーが実際に製造される全ての工程、機材を紹介して回ってくれる。

一周観終わると、山崎12年で作ったハイボールの試飲コーナーがあり、制限時間内であれば何杯でもおかわりが出来た。
その後に待つのはお土産コーナーだ。
山崎10年~をはじめ、ここでしか買えないロットリングナンバー入りの山崎など、レアなウイスキーがたくさん取り揃えられていた。更に特製のウイスキーグラスやバッグなどのグッズも溢れている。
更に更に、その後には、山崎18年~をはじめ、世界中の様々なウイスキーを格安で試飲できるカウンターバーがあった。
ウイスキーファンには全くもってたまらない、至れり尽くせりの工場見学ツアーなのであった。

だが。

昨今、そんな素晴らしい見学ツアーは全て姿を消してしまったようだ。
まず工場見学は有料となったようだ。
無料で見学できるのは、工場の模型を俯瞰して眺めるだけとのことだ。
お土産コーナーでは、ご本尊の山崎ですら売られていない。
試飲コーナーの山崎12年ハイボールも最早過去の栄光だ。

サントリーにとっては、嬉しい悲鳴なのかもしれない。
ジャパニーズウイスキーの価値が世界的に認められて、ブランドとなり、想像を超える品薄状態が生まれたのである。
だが、ウイスキーは10年以上樽に寝かせて作るため大量生産ができない。品薄になれば、また10年という長い歳月を待つしかない。

日本が、北摂が世界に誇るウイスキーを作っているという事は大いなる誇りではある。

だが、肝心の日本人が口にできないまで遠いものとなってしまうのは残念でならない。

かつて手に入れた4種類の山崎ウイスキー
今となってはとても手に入るまい。神棚に上げて手を合わせるしかない。

これらは定年退職でも迎えた時に呑むことを楽しみにしている。

サービスを豊かにし、たくさんのお客さんを集めるすぎても、かえって事業の首を絞めることになる。

そんなことを念頭に、しっかり変わり果てたといわれる工場見学もこの目で確かめてみたいと思っている。□

今日の一冊

 

ビブリア古書堂の事件手帖6」三上延 著 メディアワークス文庫(9点)

 

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1巻を読んだ時の驚きは忘れられない。
依頼者・五浦大輔の祖母が残した夏目漱石の古書に隠された謎を、主人公・栞子さんが軽やかに解決する。
古書そのものにまつわる謎に加え、五浦大輔の出生に関わるところまで謎は深まっていく。

そして6巻。
1巻を読んだ時の驚きを更に超越する展開となる。
再び太宰治の古書に焦点が当てられ、更に五浦大輔の祖父から、栞子さんの祖父の数奇なつながりまでが明かされていく。
手前にある小さな謎が新しい謎を生む、マトリョーシカのように階層的な謎が展開されていく。緻密に組まれたプロットに目が離せない。ページをめくる手が止まらない。

面白いです。□

今日の日本酒

山田錦 純米大吟醸 雑賀(さいか)
和歌山県紀の川市/株式会社九重雜賀/7点)

https://www.kokonoesaika.co.jp/

 

目を引くジャケットデザインは三本足の八咫烏
八咫烏といえば熊野本宮大社主祭神のお仕え。
熊野本宮大社と言えば和歌山県
....ということで和歌山のお酒・雑賀です。
きりっと辛口ですっきりとしています。
黒牛や紀土もあまねくしられているけれど、
八咫烏をエンブレムにした酒もまた強烈な存在感をだしています。
ジャケ買いです。それでもジャケに負けずしっかりと期待に応える美味さです。□

 

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めぐりめぐる。

部屋を片付けていたら何とも懐かしい新人時代の研修日誌が出てきた。

当時いろいろな資料や本を頂いた記憶があるが、今やほとんど残ってはいない。
そういう意味でもこの日誌は自分史を語る上で、とても貴重な資料である。

絵日記である。
1ヵ月ほどの研修中、毎日馬鹿な絵日記を描き続けていた。
思えば、正式な配属が決まる前、全くの怖いもの知らずの頃である。
先輩の名前も顔も全て実名、似顔絵で描きハプニングの数々を記録している。
結構過激なことも赤裸々に記録していて、よく怒られなかったものだと思う。
でも今、改めて読み返してみて「おもしれえじゃねえか、当時の俺」と思ってしまった。
カチカチに緊張して、フォーマルで差しさわりの無い日誌を書かなくて良かったと思った。そんなものを書いていたら、きっと残っていなかったとも思う。
ちょっと前に「エビデンス」力(りょく)について書いたけど、この日誌も一つのエビデンス力を具現化しています。
遥か昔に書いたものを今、楽しく読めて、しっかり思い出せる。それこそが記録の価値だと思うのです。
当時の馬鹿な自分はそんなことも考えてもいなかったと思うけれど、はちゃめちゃに描いたことがかえっていい記録になったのです。

名著「すごいメモ」に「メモは臨場感」とありました。
フォーマルな言葉で置き換えるより、現場を思い出せるようなありのままの言葉で記録する方が思い出せるというのです。

............というようなことを、本日、今年の新人君の研修日誌のコメントに書きました。

あの頃、先輩に読んでもらっていた研修日誌を、今度は僕が先輩として見ているのです。

めぐりめぐるよなあ。輪廻。□

今日の一冊

 

ビブリア古書堂の事件手帖5」三上延 著 メディアワークス文庫(8点)

 

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寺山修二の書籍を巡っての母からの難題に栞子さんが挑むなど、ラスボスともいえる栞子さんの母との絡みが一層濃厚になってきます。

また、メインキャラクターたちが紡ぐ本編の面白さもさることながら、サブキャラクターたちの過去が思わぬ形で明かされるなど、隅々までしっかりつくりこまれています。

特筆すべきは手塚治虫の名著「ブラックジャック」が古書として扱われている点。
第二巻で足塚不二雄、つまり藤子不二雄の「UTOPIA」が扱われていることと対をなすようになっていて読み応えがありました。

人気が続く限りシリーズを続けるというのではなく、あらかじめ決めたラストに向かっているという様子が感じられ、クライマックスへのテンションが上がります。

全巻読み終えた暁には、はげしいビブリアロスに襲われそうです........。□