「純和風ヴェネチアン風プチ冒険ファンタジー」。
....一言で例えるならこんな感じだろうか。
個人的に、宮崎監督は十傑集の一人であり、神様のような存在なのでどうしても評価が偏ってしまうのだが、やや中立的な見方をして評価してみても、やはり「すごい」と言わざるを得ない。
まるで生きているような海。
AIR(空)だけでなく、WATER(海)までも味方につけてしまう宮崎監督の才能。
そしてその「生きる海」の上を元気よく走るポニョ。
さらにその海からミニバンで逃げる宗助の母ちゃんの逞しさ。
挙げればきりがない。とにかく驚きっぱなしであった。
おもちゃの船にのって宗助がポニョと冒険に出かけるシーンも大変印象的だ。
足元の海の底に沈んでしまった街とその上を泳ぐ古代魚たちの描写はリアリティがありながら「ヤバイ」というより「綺麗」と受け取ってしまう強い説得力がある。
ポニョのお父さん、お母さんの会話に隠される抽象的な世界観の見せ方もうまい。
子供たちはその「のりしろ」に個々のファンタジーを書き込むのだろう。
早くDVDにならないだろうか。ともかくもう一回みたい。□