ポライト。

だいぶ前の話になる。盟友とスペイン旅行をしたときのことだ。


初めてのヨーロッパ旅行でうかれていたせいか、一瞬のゆるみを突かれ、タクシーでボられたことがある。
タクシーを降りた後におつりを確認したらあきらかに足りない。しかも、かなりの額が.....。



くやしかったのは金を取られたこと自体ではない。
むしろ、あの外国人に「日本人はばかだ。簡単に金を巻き上げることができる」というような日本に対するマイナスイメージを、自分が植えつけてしまったことだ。
これからスペインを訪れる日本人の誰かが、またあの悪徳タクシー運転手にまたボられてしまうことがあるかもしれない。


海外では、とにかく「日本人は礼儀正しい、日本人は優秀だった」とそう思われる行動をとりたい。いつもそう願う。



そして数年。今自分は浅草に住んでいる。
今度は逆に海外人がたくさん訪れ、我々は迎え入れる立場にある。


彼らには「日本は楽しかった。日本人はやっぱり優秀で礼儀正しかった」と感じて帰ってもらいたいと願う。


自分がスペインで経験したあのような出来事を外国人旅行客が出くわすことがないよう願っている。
そして個人的にも、外国人にはなるべくポライトに接したいと思っている。
道を尋ねられればできない英語を駆使してでも対応してあげたいと願う。



自分は、そういう信頼や誇りの積み重ねに貢献したい。
逆に他の人が積み重ねてきたそれを崩すようなことは絶対にしたくないのである。



....というようなことを22:00過ぎ、浅草のハンバーグ店「モンブラン」にて、向かいのテーブルで料理を楽しむ外国人カップルを眺めながら考えていた。彼らには浅草を楽んでもらえただろうか。□