箱庭

お神輿が美しい。

地域ごとに独自に作りこまれた端正で緻密な造形。

神社そのものを、小型化した社にパッキングして、

神様を外に連れ出すのである。

 

盆栽が美しい。

日本庭園の表現する静けさや造形美を、

小型化した鉢の中にパッキングして愛でるのである。

 

小さな「空間」や「時間」や「造形」の中に、

僕らの「願い」や「想い」や「美学」を詰め込む、箱庭。

 

箱庭は、狭い国土の日本だからこそ生み出された、

日本の美しさを象徴する一つの様式だと思う。

 

大相撲秋場所で豪栄道が全勝優勝を果たした。

大阪出身力士ではなんと86年ぶりの優勝というのだから大阪では、

ひっかけ橋から道頓堀に飛び込むというどころの騒ぎではない。

スカイダイビングで道頓堀に飛び込むほどの騒ぎではないか。

 

大相撲も「箱庭」である。

一番一番の時間の取り方といった様式や、

関取たちの日日の調子の変動が繰り広げるドラマ。

わずか15日の戦いの中に、人生の喜怒哀楽が

全てパッキングされているように感じる。

 

 そして絵画も.........。

 

小さな空間や時間や造形の中に、想いを詰め込む。

日本人の、日本人による、日本人のための、ものづくりを

強い信念と誇りをもって、これからも続けていきたいものです。

 

豪栄道関、優勝本当におめでとうございました!□