6月の関西二紀展に初めて出品する女性から、
「関西展の作品は進んでいますか?」
「初めての作品が完成するかどうか不安で一杯です」
といった相談を受けた。
僕は今、個展の準備に追われ、
関西展には未だ着手すらできていない。
ひとまず自分をあまり追い詰めすぎてはいけない。
折角出品するのだから、楽しく描いて行こう。
....といったことを彼女に伝えたのだった。
だが。僕は本当は心中では、
「初めてならば不安は当たり前だ」
「自分をとことん追い詰めて、恐怖や絶望と闘うべきだ」
と思っていた。
自分なりに彼女の人柄(あまりよくは知らないが)を
察して無茶なことを言わないようにしたのだった。
大きな不安をあおりすぎて逃げ出してしまってはいけない。
少しでも自信をつけて進んで欲しかったのだ。
これが良かったのかはよくわからない。
どう伝えるのがベストだったのだろうか。
やさしさってなんだろうね。
僕は悪魔か天使か。今なおよくわからない。□