こりない男

もうこりごりです。

そんなことを昨年の今頃叫んでいたようだが、

1年たって今なおまた同じことを叫んでいる。

なぜもっと早く計画しなかった。

なぜもっと早く行動しなかった。

あのとき、このとき、時間は溢れていた。

それをまた明日また明日と先延ばしにし

目先の誘惑にひきずられ浪費してきた。

そうして最後こりごりだ!なんて叫ぶのだ。

自業自得じゃねえか、この大馬鹿野郎めが。


だがしかし。冷静に振り返ってみると、

実は僕はこんな状況になりたかったのかもしれない。

「治らない」のではなく「治さない」のです。

僕は、

「本当にどうしようもない状況でしか発動しえない本気」

に依存して仕事をしているような気がする。

時間、師匠の叱咤、他のアーチストの作品群。

自分を監視する多くのものたちからの警鐘が

ある一定量を超えたとき初めて本気が発動する。

本気が発動するまでは頭で自分を追い詰めていても

どうしても気持ちは無意識のうちにゆるんでしまい

それに気付けない無駄な時間をすごしている。

だから僕は本当にこりごりしなくなったらもうおしまいな気がする。

僕はこりごりの中でしか本気になれない奴だったのです。

しんどいけど。やめたいけど。開き直りかもしれないけれど。

僕を追い詰め本気にさせてくれる多くの奇跡的な力に感謝しつつ.....。

また筆を握る。□